26日に東京競馬場で行われた「第43回
ジャパンC」は単勝1・3倍の圧倒的1番人気
イクイノックスが道中3番手から抜け出して4馬身差の快勝。これで昨年の
天皇賞・秋からG1・6連勝、G1出走機会最多連勝記録(
テイエムオペラオー00年
天皇賞・春〜01年
天皇賞・春、
ロードカナロア12年
スプリンターズS〜13年
香港スプリント)に並んだ。
クリストフ・ルメール(44)は今年の
JRA・G1・6勝目。年内あと5戦あり、20年に自身がマークした8勝に迫る勢いのパフォーマンスを見せている。
8万5000人を超える大観衆に、
イクイノックスの馬上から手を振るルメール。勝負服の袖で何度拭っても、あふれ出す涙は止まらなかった。G1・6連勝の偉業を達成した相棒の激走に感動し、極限まで高まったプレッシャーからは解放された。まずは英語で「ハッピー。
リリーフ(安心)。
プラウド(誇り)」と感情を説明。続いて「今日はなぜか
アドレナリンが高まっている状態でした。ゴール前に戻って来て観客の皆さんの喜んでいる姿を見て、特別な感情が湧いてきました」と流ちょうな日本語で続けた。
好位3番手から抜け出し独走態勢。最後は手綱を緩める余裕の完勝に「ベストパフォーマンス。
イクイノックスは自分の仕事をよく分かっている。自信を持って乗ったし、直線は信じられない反応をしてくれた」。ルメールは最強の走りをありったけの賛辞で称えた。「賢いし、乗りやすいし、おとなしい。ポニーみたい。誰でも乗れると思いますよ」と絶賛するパートナー。「世界一の
ファンタスティックな馬に騎乗できて、私は恵まれています。
イクイノックスがみんなの記憶に長く残ってほしいです」と願った。
日本でのG1初騎乗は03年
ジャパンC。フランス調教馬
アナマリーで12着だった。あれから20年。今回の勝利で
ジャパンCは通算4勝目。
武豊と並ぶ最多勝利記録になった。「知らなかった。
ジャパンCは夢でしたから。信じられないです」と話すと、また涙があふれ出した。「世界でも凄く大事なレース。日本ではダービーと同じくらい特別。勝つことができて凄くうれしい」。
陣営は明言を避けたがファンは暮れの大一番、
有馬記念への参戦を熱望する。誰よりルメール自身が「僕にとっての特別な馬。もっと勝ちたい」と望む。レース後の場内インタビュー。ルメールは「次のレース?もう決まっています」とリップサービスし、慌てて「まだ分からない」と苦笑いするシーンがあった。
グランプリで見る者を陶酔させる最強の走りを再び。世界中の競馬ファンが望んでいる。
○…ルメールの年間
JRA・G1勝利数は20年の8勝(
フェブラリーS、
天皇賞・春、
ヴィクトリアマイル、
スプリンターズS、
天皇賞・秋、
エリザベス女王杯、
マイルCS、
ジャパンC)がキャリアハイかつ
JRA記録だ。現時点で今年6勝。自身の記録更新なるか。今週の
チャンピオンズCは
グロリアムンディ、来週は香港(香港国際競走)に行かず阪神JFで
赤松賞勝ちの
ステレンボッシュに騎乗する。
スポニチ