「
ジャパンC・G1」(26日、東京)
単勝1・3倍の圧倒的1番人気に支持されたルメール騎乗の
イクイノックスが、世界最強の貫禄を見せつけて圧勝。3冠牝馬
リバティアイランドとの2強対決を難なくものにして16年覇者の父
キタサンブラックとの親子制覇を成し遂げ、
テイエムオペラオー、
ロードカナロアに並ぶG1出走機会最多連勝タイ記録となる6連勝を飾った。総獲得賞金は
アーモンドアイを抜いて歴代1位となり、史上初の20億円超え。競馬の歴史に新たな1ページを刻んだ。
終わってみれば“1強”だった。道中3番手でガッチリと折り合いをつけた1番人気
イクイノックスが、ラスト1Fで堂々と先頭に躍り出る。鞍上ルメールは、軽く仕掛けた程度でノーステッキ。最後は右後ろを確認するほどの余裕のVで、最大のラ
イバルと目されていた3冠牝馬
リバティアイランドに4馬身差をつけ、改めて“最強”を証明してみせた。
レースは昨年秋の天皇賞のリプレーを思わせるタテ長の展開。前半5F通過57秒6のラップも、ルメールにとって想定内だった。「1枠に
リバティアイランドがいて、
タイトルホルダーも隣。
パンサラッサと
タイトルホルダーの後ろに行きたかった。いいスタートを切って、すぐにその馬の後ろにつけられたので、勝つ自信がありました」。好位3番手に陣取った時点で勝負あり。後続はもう眼中になかった。
ラスト3Fはメンバー最速の33秒5。「もう…言葉がありません」。ウイニングランを終え、出迎えたスタッフが視界に入った瞬間、鞍上の目には光るものが-。「4回も優勝(09年
ウオッカ、18、20年
アーモンドアイ)できて信じられません。彼はスーパーホース。彼の上では、自信をたくさん持てます」。駆け付けた8万5000人以上のファンが勝者をたたえた。
衝撃レコードを刻んだ今年の秋盾から、今回はキャリアの中で最も間隔が短い中3週のローテ。「“ここまで来るのか”と思うぐらいのプレッシャーを感じていた」と吐露した木村師は、引き揚げてくる際に人目をはばからず号泣した。1週前追い切りを終えた時点で「馬の緊張感(の訪れ)が
天皇賞・秋よりも早かった。果たして、あと10日持つのか…」と不安もよぎったが、仕上げは攻めの姿勢を貫いた。「何とか踏ん張って、けさの雰囲気はどっしり。それが(馬体重)4キロ増につながった」。4歳秋を迎えて、心身ともに充実期へ。「最高の形で気持ちが解放されました」と安どの表情を浮かべた。
これで破竹のG1・6連勝。今後については「今のところ、決定していることは何もない」と明言を避けたが、状況次第では
有馬記念参戦の可能性もあるだろう。記者会見の最後を「どうか私に、しばしの休憩をください!」と笑顔で締めくくった指揮官。次なる一手に、全世界が注目している。
提供:デイリースポーツ