「
ジャパンC・G1」(26日、東京)
4馬身差の銀メダル-。注目の一戦は世界No.1ホースに軍配が上がったが、3冠牝馬
リバティアイランドが、その実力にたがわぬ走りをアピールした。次戦については未定も、まだまだ伸び盛りの3歳馬。2024年の競馬界を、グイグイけん引していくに違いない。
小細工なしの真っ向勝負で堂々と立ち向かった。2番人気の
リバティアイランド。“世界No.1ホース”の背を懸命に追い掛けたが、相手は涼しい顔のまま、4馬身も前にいた。
超ハイペースで逃げる
パンサラッサには構わず、1番人気の
イクイノックスをマークする形で4番手の内を確保。向正面では少し行きたがる面を見せながらも、鞍上がなだめてリズム良く追走した。直線を迎えると王者を目掛けてスパートを開始。だが、その差はなかなか縮まらない。最後まで持てる力を振り絞ったものの、現状の力では及ばなかった。
それでも、戦い終えた陣営はすがすがしい表情で振り返る。「全力で挑ませていただいて、素晴らしい走りをしてくれるなかで、世界一の馬はさすが世界一でした。とても強かったです」と川田が話せば、中内田師も「勝った馬は
リスペクトしていた馬。やっぱり世界一でした。でも、こちらもいい競馬だったと思います」と奮闘をたたえた。
久々に
チャレンジャーとして迎えた大一番。プレッシャーだけではなく、高揚感も胸に抱いて臨んだ一戦だった。「
イクイノックスVS
リバティアイランドという構図で盛り上がってくれたと思いますし、うちらとしても楽しみました。挑戦させていただいて、ありがたかったです」。そう話す指揮官の目は、心から競馬を楽しんだ少年のようだった。
決定的にも思えた4馬身差。それでも、まだまだ成長の余地は大きく、指揮官も「3歳で先がある馬」とこれからを見据えている。「馬は走り切ったので褒めたいと思います。これだけ注目していただいてありがたく思いますし、感謝を申し上げます」。残された余白を塗りつぶした時こそ、完成の時。いつかこの4馬身差を埋め、そして必ずひっくり返す。
提供:デイリースポーツ