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【ジャパンC】イクイノックスG1・6連勝で賞金22億円超え ルメール騎手は馬上で歓喜の涙

スポーツ報知
  • 2023年11月27日(月) 06時30分
◆第43回ジャパンC・G1(11月26日、東京・芝2400メートル=良)

 第43回ジャパンC・G1が26日、東京競馬場で行われ、1番人気のイクイノックスが4馬身差で圧勝した。この勝利で総獲得賞金は22億1544万6100円。アーモンドアイを抜く歴代1位となった。G1だけでの6連勝は史上初。鞍上のルメールは様々な記録を打ち立てた勝利に感極まり、涙を流した。世紀の一戦と注目された3冠牝馬のリバティアイランドは2着だった。

 世界一の涙がこぼれ落ちた。イクイノックスが新たな歴史を塗り替えた後の場内インタビュー。いつも陽気なルメールが「僕にとってジャパンCは夢でした…」と話すと、目を手で覆い、嗚咽(おえつ)を漏らして泣いた。過去3度制しているが、特別な場所は何度立っても変わらない。「世界でも大事なレース。日本でもダービー以外は一番大事なレース。特別な瞬間でした」と顔を紅潮させ喜びに浸った。

 インタビューをターフ側で聞いていた木村調教師も、苦楽をともにする鞍上の涙を特別な気持ちで見ていた。「その思いは私も共有しています。フランスから来て自分で今の地位をつかんだ。逆だったらできない。尊敬しています」と名手への思いを吐露。強い絆でG1・6連勝、総獲得賞金22億円超えなど様々な金字塔を打ち立てた。

 再び衝撃が走った。パンサラッサの大逃げで前半1000メートルは57秒6のハイペース。ざわつく場内の中、イクイノックスはスタートを決め、3番手につけた。道中は人馬で呼吸をぴったりと合わせダイナミックなフォームで追走。直線に入ると激しく追い出す他馬の最後に追い出され、エンジンを点火させた。

 好位につけながらもメンバー最速の上がり3ハロン33秒5。異次元の末脚で前を一気にのみ込んだ。4キロ軽い斤量の54キロで果敢に挑んできたリバティアイランドも全くついてこれない。世紀の一戦を、最後は手綱を緩めてのゴール。後続に4馬身の決定的な差をつけ、世界の度肝を抜いた。鞍上は「この馬の走りは信じられない。イメージ通りの競馬で、勝つ自信がありました。今日は瞬発力がありました。スーパーホースですね。乗りやすい馬でまるでポニーみたい」と絶賛した。

 今後は決まっていない。有馬記念への参戦など流動的だが、ルメールは「彼は自分から仕事をしてくれる、そういう馬。そういう馬に乗れることは喜び」と絶大な信頼を寄せる相棒の背中を欲している。次はあるのか? 世界の中心に、今もこれからもイクイノックスがいる。(松末 守司)

 ◆イクイノックス 父キタサンブラック母シャトーブランシュ(父キングヘイロー)。美浦・木村哲也厩舎所属の牡4歳。北海道安平町のノーザンファームの生産。通算10戦8勝(海外1戦1勝含む)。総獲得賞金は22億1544万6100円(海外4億5889万100円含む)。主な勝ち鞍は東京スポーツ杯2歳S(21年)、天皇賞・秋(22、23年)、有馬記念(22年)、ドバイ・シーマクラシック(23年)、宝塚記念(23年)。馬主は(有)シルクレーシング。

スポーツ報知

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