一頭の馬の強さを目の当たりにして、心が大きく揺さぶられたのはいつ以来だろうか。
ジャパンCを圧勝した
イクイノックスの走りは、それだけ衝撃的なものだった。
ミスターシービーVS
シンボリルドルフ-2年連続で出現した三冠馬の対決が競馬の原風景である筆者にとって、長らく個人的な最強馬の座は
シンボリルドルフだった。安定したレースぶり、あの“ゴール時点で前に出ていたらいいんでしょ?”と言わんばかりの派手さがないゆえに伝わる強さ。競馬担当になってからも、その座を揺るがす存在はなかなか出現しなかった。
その「マイ最強馬」の座をあっさり奪ったのが、ルドルフ以来となる無敗の三冠馬となった
ディープインパクトだ。異次元の飛ぶような走りには、それだけインパクトがあったし、体調さえ整っていたなら、あの
凱旋門賞だって…と今でも思っている。
それだけに(個人的に)ルドルフを超えたディープを超える馬なんて出てこないと思っていた。だが、
イクイノックスの一連の走り、特に
ジャパンCでの完璧なまでの強さには「心のベストテン第1位」の座が揺るぎそうだ。
イクイノックスの血統背景もエモい。
ディープインパクトの全兄という良血でありながら、馬体が大きすぎたゆえに22戦3勝、重賞1勝のみに終わった
父ブラックタイドから出たのが
キタサンブラック。そのキタサンが父として現役世界最強馬
イクイノックスを輩出した。
好位置につけて直線で突き放す
スタイルは、
シンボリルドルフの競馬
スタイルにキレ=瞬発力を足したようなイメージだ。3月の
ドバイシーマクラシックのように「逃げて差す」競馬だってできるのだから、それこそ隙がない。
ディープインパクトをもってしても、つかまえることができないのではないか…そんなふうさえ思わせる。果たして
有馬記念で新記録のG1・7連勝に挑むのだろうか。
(1)
サイレンススズカ (2)
メジロマックイーン (3)
ウオッカ (4)
トウカイテイオー (5)
スペシャルウィーク (6)
テイエムオペラオー (7)
アグネスタキオン (8)
オグリキャップ (9)
エルコンドルパサー (10)
シンボリルドルフ (11)
ナリタブライアン (12)
キングカメハメハ (13)
ミスターシービー (14)
ディープインパクト (15)
エアグルーヴ (16)
ブエナビスタ (17)
ダイワスカーレット (18)
オルフェーヴル 歴代の名馬が激突する2015年に製作されたJRAのCM「夢の第11レース」の出走メンバーだ。あんなふうに時代を超えた「架空の対決」を肴に、仲間と語り合うことができるのも競馬の楽しみ方のひとつである。あなたの「マイ最強馬」はどの馬ですか-。(デイリースポーツ・和田 剛)
提供:デイリースポーツ