GI初挑戦となった前走
JBCクラシック5着からの巻き返しを期すのが
ウィルソンテソーロ。同じ“
キタサンブラック産駒1期生”の
イクイノックスとともに父の種牡馬としての可能性を広げつつある同馬は今週のチャンピオンズC(12月3日=中京ダート1800メートル)で初の
ビッグタイトル制覇を狙います。
菅原明からの乗り替わりで迎える今回、開業6年目の小手川調教師が鞍上の座を託すのは4年目の若武者・
原優介(23)。同騎手が騎乗した1週前追い後には「(自身が研さんを積んだ小桧山厩舎の)弟弟子の優介とGIに挑戦できるということで了徳寺オーナーには感謝しています」と語りました。
原は今回が2回目のGI挑戦。初挑戦となった昨年の阪神JFでは16番人気の
ミシシッピテソーロに騎乗すると中団からじわじわと脚を伸ばして5着。
リバティアイランド勝利の陰でしっかりと躍動し、進化を見せました。本人に当時の心境を聞くと「競馬学校の面接のときもスラスラとしゃべれたようにもともと勝負事に関しても緊張しないんですよね。やることは未勝利でもGIでも変わらないと思います」。
ちなみに記者は同い年。ただ取材するだけでも緊張してしまう性格なので、その強心臓には憧れてしまいます。
今回の挑戦に際しても堂々としたもの。1週前追い切りの感触を振り返って「武器がある馬って勝つ要素がありますし、この馬も伸ばした時のスピードやダート馬らしからぬ柔らかさ…いい武器を持っていますからね。(こういう馬に乗せてもらって)ありがたいですし、結果で返したいと思います」。
先週土曜(25日)の東京の2歳オープン・カトレアSでは同じ“
テソーロ軍団”の
ジョージテソーロを単勝15番人気の低評価の中、2着に導いて馬単4万円馬券を演出。このレースも激走の気配をビンビン感じてしまいます。
ウィルソンテソーロは、ここまで交流重賞3勝を挙げている厩舎のエース。初の栄冠へと導くカギ、それはきっと兄弟子の“兄心”、そして弟弟子の“不動心”…この2つの相乗効果だと信じています。
(美浦の不動心羨望野郎・権藤時大)
東京スポーツ