◇厳選超抜リスト
調教の動きだけに注目して勝ち馬に迫る「厳選超抜リスト」。チャンピオンズCは
クラウンプライドをプッシュする。坂路4F51秒0と好時計。フォームにブレがなく、力強い脚さばきで駆け上がってきた。昨年は首差2着と涙をのんだ。この1年で海外遠征を重ね、心身ともに成長。G1初Vへ、機は熟した。
海を渡る進化論、2年越しで雪辱を果たす。
クラウンプライドは坂路単走で4F51秒0〜1F12秒5。ラストは騎乗する松田助手のステッキが飛んだ。29日の栗東坂路最速が4F50秒3、それを踏まえれば十分にタイムが出ている。新谷師は「最後はステッキが入ったけど、気を抜くところがあるので叱咤(しった)という意味でのもの。しっかりと負荷をかけたい思いもあっての時計です。申し分のない仕上がりでレースに行けると思います」と納得の表情を浮かべた。
昨年のチャンピオンズCが惜しい首差2着だった。年が明けてサウジ、ドバイと中東を転戦した。前走のコリアCが1秒7差の圧勝。海外を渡り歩いて、経験を積んできた。調整役の松田助手は「海外だと周りに頼る馬がいない。乗ってくれる人間を頼るようになって、精神的にどっしりしてきました。新しい調整方法を見つけて、取り入れたりもしています。体幹をズラしたくない。(馬体の)後ろがしっかりしてきて、真っすぐ大きく跳べるようになりました」と心身ともに成長を実感していた。
ここまで12走して、5カ国10カ所の競馬場でレースをこなしてきた。新谷師は「海外で探り探り調整に向かい、人馬ともに一緒に歩んだ1年。それが実を結んできました。夏を越えて成長も見られますし、どの競馬場でも一生懸命走るのが強みですね」とセールスポイントを挙げた。
3走連続で騎乗する川田も呼応するように「とても一生懸命走る馬だな、というのが第一ですね。調教に行っても競馬でも、とても前向きに走る馬だなと思います」と話した。可愛い子には旅をさせよ。惜敗から1年の時を経て成長。悔しい思いをした舞台で大きな果実を実らせる。
スポニチ