12月2日(土)に中山競馬場で行われる
ステイヤーズステークス(3歳上・GII・芝3600m)。日本国内の平地最長距離となっている競走だが、中山競馬場のコース図を見ると、さらに長い「芝4000m(外)」の設定があることにお気づきだろうか。
同距離ではかつて、「日本最長距離ステークス」なるレースが行われていた。1968年から設定され、のちに
有馬記念2着などの実績を残す
コンチネンタル、“白い逃亡者”の異名で知られる
ホワイトフォンテンなどが勝ち馬に名を連ねたが、1975年をもって廃止。
JRAによると条件クラスの競走であったことから、実施されなくなった経緯について、記録が残っていないという。
中山芝4000mは使われなくなってから約半世紀となるが、近年に施行例がない距離は他の競馬場にも存在。近30年以降(コース改修があった競馬場は改修以降)では、函館芝1700mや新潟芝3200m(外)、京都ダ1100mなど、全7場・15コースが該当する。たとえば、重賞の
根岸Sが行われていた東京ダ1200mも、コース改修後は使われていない。
だが、これらの現在未実施の距離も、今後行われる可能性は残っている。開催日割や競走体系、出走動向といった番組編成における状況の変化もあり得るためだ。また、降雪や凍結、降雨などにより、競馬番組で発表した馬場および競走距離を変更した際にも、使用する場合があるとのこと。現在使われていない距離設定も、日の目を見る時が来るだろうか。
有馬記念の前哨戦としても注目したいステイヤーズSには、8年ぶりにフルゲート16頭がそろった。約4分間の熱戦が繰り広げられる同コースも、年に1度しか使われない珍しい条件。年に数回しか見ることのできない距離、長らく実施されていない距離は、中央、地方問わず、全国の競馬場に存在している。コース図を眺めてみれば、“レアな条件”や“意外な発見”があるかもしれない。
【
JRAで近年施行実績のない距離】
●函館 芝1700m
●新潟 芝1400m(外)、芝3000m(外)、芝3200m(外)
●中山 芝4000m(外)、ダ1700m
●東京 芝2600m、ダ1200m
●中京 芝1300m
●京都 芝1100m、ダ1000m、ダ1100m、ダ2600m
●阪神 芝1400m(外)、ダ2600m
※1993年以降。ただし、コース改修のあった競馬場は改修以降とする(
JRA調べ)