前走の
ジャパンCを制し、昨年の
天皇賞・秋からJRA最多タイとなるG1・6連勝を達成した
イクイノックス(牡4歳、美浦・木村)が、現役を引退し、種牡馬入りすることが11月30日、決まった。生涯獲得賞金22億1544万6100円を稼ぎ出した
パーフェクトホースの電撃引退。その背景を競馬担当記者が解説する。
恐らく、
有馬記念に出ていれば高い確率で勝っていたに違いない。翌年も現役を続行していれば、国内外のG1総なめも夢ではなかった。
にもかかわらず、なぜこのタイミングで引退なのか。米本代表は「(種牡馬として)相応の評価を頂けているのが大きなポイント」と説明。欧米を見ても、良血馬が3、4歳で引退するケースは珍しいことではない。あの
ディープインパクトも、4歳時の有馬を最後に引退している。「もう一つは、今年の夏を越えてから素晴らしいレースを見せてもらい、あれ以上のモノがあるのだろうかと(苦笑)」。4歳秋のパフォーマンスはまさに極限。種牡馬ビジネスという現実的側面に、
ピークのまま去るというロマンが決断を後押しさせた。
19年に
ディープインパクトが急死。現在、“ポスト・ディープ”の役割は父
キタサンブラックが担っている。
イクイノックスのけい養先は同じ社台スタリオン
ステーション。種付け希望が殺到する人気種牡馬の負担を、分散させるという意味合いもあるだろう。(デイリースポーツ競馬担当・刀根善郎)
提供:デイリースポーツ