「チャンピオンズC・G1」(3日、中京)
1番人気に推された今年の
フェブラリーS覇者
レモンポップが、果敢にハナを切り、横綱相撲で見事に戴冠を果たした。14年に中京開催となって以降、一度も馬券圏内に入ったことのない8枠も何のその、史上4頭目となる同一年JRAダートG1完全制覇を果たした。2着は12番人気
ウィルソンテソーロ、3着には9番人気
ドゥラエレーデが入り、3連単は190万2720円の大波乱となった。
真の砂王の誕生だ。今年の
フェブラリーSを制した
レモンポップが、圧巻の逃走劇で桶狭間の決戦を制した。同一年のJRAダートG1完全制覇は史上4頭目の快挙。坂井は「初めての1周(のレース)に、距離も枠順も明らかに不利な状況で高いハードルだったと思うけど、能力で乗り越えてくれました。堂々、チャンピオンと言っていいと思います」とパートナーをたたえた。
戦法のイメージはいくつもあったが、選択したのは前走
南部杯と同じ“逃げ”。スタートを決めると大外枠から迷わずハナを切った。「ゲートが速かったら行ってもいいかと思っていましたし、明らかに出ていたので」。そのまま脚勢は衰えず、最後は後続に1馬身1/4差をつけてのVゴール。「距離ロスなく行きたかったのでラチ沿いを通りました。この馬にしては最後は止まった感じでしたし、何とかギリギリというところで我慢して、能力の高さでこなしてくれました」とねぎらった。
中京開催になった14年以降で初となるピンク帽での戴冠。田中博師は「正直、試練は続くなと思いました。ただ、スタッフは距離や中京コースの克服に向けて頑張ってくれていたので、弱音は吐きたくないと思っていました」と胸の内を明かし、「この馬には驚かされるというか、自分の想像をはるかに超えてくれますね。レース後もケロッとしていたし、パフォーマンスとしては完成期に近い。とにかくホッとしています」と喜んだ。
今後について、師は「選択肢の幅は広がったと思うけど、距離適性からパフォーマンスを最大限に出せる舞台ではないと思っています。そのあたりも踏まえてチョイスできたら」と明言は避けたが、「海外というのも一つの選択肢に。いいスピードを持っているので、ダート千二が駄目とは思っていないですから」と、
ドバイゴールデンシャヒーン10着のリベンジもありそうだ。国内を制圧した今、世界制覇の夢が一気に広がった。
提供:デイリースポーツ