クローバー賞を制した
コスモディナー(牝2、美浦・
伊藤伸一厩舎)が、
阪神ジュベナイルフィリーズ(2歳牝・GI・芝1600m)で2歳女王の座を目指す。
何といっても血統に注目してほしい。父
ダノンバラードは10年のラジオNIKKEI杯2歳Sを制し、
ディープインパクト産駒として初めて
JRA重賞を制した馬。5歳時になって
AJCCを制し、
宝塚記念でも2着になるなど、息長く活躍した。種牡馬としては一旦、欧州に輸出されたものの、19年から再び日本で供用されて、根強い人気を誇っている。
一方の
母コスモミールはデビューから3連勝で
マリーゴールド賞、
ダリア賞を制した活躍馬。05年の阪神JFでは
テイエムプリキュアから0秒8差の8着だった。さらに母系を遡れば、4代母は79年に不良馬場の
桜花賞を制した15番人気で制した
ホースメンテスコ。その血を引く
JRAの現役馬は、
コスモディナーの他には2歳未勝利の
コスモホライズンの1頭だけだから、貴重な存在といえる。ちなみに
ホースメンテスコの鞍上は当時23歳、後に調教師に転身して
キズナや
タップダンスシチーを管理する
佐々木晶三騎手だった。こうして掘り下げてみると、決して
ピカピカの良血ではないが、実に趣深い1頭といえないか。
過去3戦が時計を要する福島と札幌だったので、持ち時計は目立たない。しかし、プラスに考えれば急坂歓迎の
パワータイプといえるだろう。舞台は4代母が大波乱を呼んだ仁川のマイル戦。44年前の再現があっても決して驚けない。