◆香港国際競走・G1(12月10日、シャティン競馬場)
JRA海外馬券発売レースの香港国際競走は10日、シャティン競馬場で開催される。現役最多のG1・22勝を誇る
池江泰寿調教師(54)は海外G1初制覇に挑む。
名門の名を確固たるものにする。
香港マイルに
ソウルラッシュ、ヴァーズに
ゼッフィーロを送り出す池江厩舎は現役最多の
JRA・G1・22勝を誇るが、意外にも海外G1は未勝利だ。12、13年は3冠馬
オルフェーヴルで
凱旋門賞に挑んだが、2年連続で無念の2着。池江調教師は「やっぱり未勝利なんでね。今掲げている次の目標が海外G1制覇」と野心を隠さない。
04年の開業以来、海外G1には延べ26頭を出走させてきた。国内戦との違いについて、「検疫もありますし、馬のコンディション維持も、トレセンで普段調整している時とは違う難しさがあります」と指摘。何度も挑んできたからこそ、壁の高さを実感している。
ソウルラッシュにとっても、シャティン競馬場での調整がポイントだ。大型馬だが、現地には坂路やウッドチップコースがないため負荷がかけづらい。ただ、調教の動きがひと息だった春と比べると、この秋は復調。前走の
マイルCSも2着と実力を示した。G19勝の
ゴールデンシックスティなど現地勢も強敵がそろうが、「十分好勝負できる」と意気込む。
ゼッフィーロは前走の
アルゼンチン共和国杯で重賞初制覇。年齢を重ねるごとに背腰の甘さが解消され、末脚に磨きがかかっている。「前走の勝ち方を見ても、G1に駒を進めても十分チャンスがあるな、という手応えを感じました」。環境への適応に時間がかかるタイプだが、国内外を通じて初のG1でも、堂々と挑めるだけの素質がある。
香港国際競走への出走は過去に延べ9頭。14年マイル(
ワールドエース)、16年カップ(
ラブリーデイ)の4着が最高だ。充実一途の2頭と海を渡り、今年こそ、新たな勲章をつかむ。(水納 愛美)
スポーツ報知