◆第75回阪神JF・G1(12月10日、阪神競馬場・芝1600メートル)
2歳牝馬の頂点を決める阪神JF・G1は10日、阪神競馬場で行われる。今年は好相性の
アルテミスS1着馬が参戦を見送り、3枠を巡る抽選にも10頭が待機する混戦ムード。主役候補の重賞馬、
カルチャーデイ(栗東・四位厩舎)は、厩舎のG1初勝利をかけて大一番に挑む。
騎手時代に
JRAで通算1586勝、G1・15勝を挙げた四位調教師は、開業3年目で初の2週連続G1となる。送り込むのは
カルチャーデイ。前走の
ファンタジーSは15番人気だったが、低評価をあざ笑うかのように2連勝Vを遂げた。逃げ馬と2番手がハイペースで引っ張る流れを、好位から早めに抜け出す強い競馬だった。四位師は「前走は本当に驚きました。勝ち時計もいいからね。新馬戦も味のある競馬だったし、ここにきてどんどん良くなっている」と成長に目を細める。
11月29日の1週前追い切りは酒井が手綱を執り、栗東・坂路で54秒2―12秒1をマーク。一杯に追われ、併せた
ウィルフルネス(4歳1勝クラス)に4馬身先着と、力強い動きだった。「1週前だからある程度やった。体も心臓もできている」と、指揮官は手応えを深めている。
騎手時代には03年
ヤマニンシュクルと06年
ウオッカで2勝しており、阪神JFは好相性だったレースの一つ。
ファンタジーSの勝ち馬も近10年で
アルテミスS組の5勝に次ぐ2勝を挙げており、データ的にも勝機十分だが、トレーナーは「距離も大丈夫でしょう。2歳のこの時期はまだ融通が利くから。普段通りに仕上げて送り出すだけ。鼻息が荒いのは鞍上(酒井)だけですよ」と余裕を見せる。自然体を貫いた先に、待望の1勝が待っている。(山下 優)
スポーツ報知