セントライト記念で重賞初制覇した
レーベンスティール(牡3、美浦・
田中博康厩舎)が、
香港ヴァーズ(3歳上・G1・芝2400m)でGI初制覇を狙う。
日の丸を背負うと奮い立つ血統だ。父
リアルスティールはクラシック3冠で2着、4着、2着と涙を飲んだが、4歳時の
ドバイターフでGI初制覇。同レースには6歳時にも参戦し、
ベンバトルから3馬身+クビ差の3着に健闘した。その全妹の
ラヴズオンリーユーはGIを4勝した名牝。5歳時にクイーンエリザベスII世C、BCフィリー&メアターフ、
香港Cと海外GIを3勝したことは記憶に新しい。
そして極めつけは母の
父トウカイテイオーだ。言わずと知れた91年の2冠馬。4歳時に
天皇賞(春)で5着、
天皇賞(秋)で7着と連敗を喫しながら、
ジャパンCで世界の強豪を撃破。結果的にラストランとなった
有馬記念での復活Vとともに、感動的なレースとして語り継がれている。
レーベンスティールは今回が初の海外遠征、しかもGI初挑戦となるが、前走の
セントライト記念では
皐月賞馬の
ソールオリエンスに完勝。既にGI級の能力を有していることは間違いなく、日本から
ジェラルディーナ、
ゼッフィーロ、欧州からヴェルメイユ賞を制した
ウォームハート、バイエルン大賞覇者の
ジュンコといった強豪が集っても、何ら臆するところはない。端正な顔立ち、バネの利いたフットワークは、まさに
テイオー譲り。世界の舞台で大仕事を成し遂げてくれそうな予感が漂っている。