ＪＲＡは７日、２０２４年度新規調教師免許試験の合格者９人を発表。現役ジョッキーでは田中勝春騎手（５２）＝美浦・フリー、秋山真一郎騎手（４４）＝栗東・フリー＝が名を連ねた。

　スーツ姿の田中勝は珍しく神妙な表情。でも、口を開けばやはり、カッチースマイルがこぼれた。「３４年騎手をやってきたが、だんだん下手になってきて、これ以上皆さんに迷惑を掛けることはできないと」。転身の言は、冗談にも照れ隠しにも聞こえる。

　「憧れていたのは野平祐二先生。シンボリルドルフを育て、競馬の発展に尽力した方。僕は年も年なので何年もできませんが、ルドルフのような馬をつくって競馬の発展に尽くしたい」と熱っぽく語った。

　騎手は年内で引退。厩舎運営について問われると、「理想は相撲部屋。（馬が）一生懸命ケイコして、食べて、休む。そのためにトレーナーと厩務員がしっかり連携を取れる厩舎です」と答えた。誰からも慕われる美浦の職人が、どんな馬をつくっていくのか楽しみだ。

提供：デイリースポーツ