競馬場に千両役者が戻ってくる。
天皇賞・秋当日の10月29日に騎乗馬の脱鞍の際に右大腿を蹴られ、筋挫傷で休養していた
武豊(54)が13日、今週からレース騎乗を再開することを表明。この日、栗東トレセンで調教にまたがり、「今週から乗ります」と自ら
ゴーサインを出した。
朝一番は17日に迫るG1・
朝日杯FS(阪神芝1600メートル)でコンビを組む
エコロヴァルツ(牡2=牧浦)に騎乗。そして、24日の大一番・
有馬記念(中山芝2500メートル)でのパートナーとなる
ドウデュース(牡4=友道)の1週前追い切りもこなした。
復帰デーとなる16日は中山でG3・
ターコイズ(芝1600メートル)に
ソーダズリング(牝3=音無)に騎乗。48日ぶりの実戦復帰に向け表情は明るく、ユーモアに富んだ言葉も口をついた。
「自分のとって心の支えになりました」という昨年のダービー馬・
ドウデュース。21日には
有馬記念の公開枠順抽選会が行われるが、当日は
名古屋グランプリ参戦予定のため、枠順抽選会には参加できない。過去に自らの手で好枠を引き当てた実績があるため、「俺の見せ場がなくなった(笑い)。リモートでも出たいくらい」と話した。
ドウデュースの1週前追い切りを終えて引き揚げると、「
天皇賞(秋)の1週前に乗って以来。相変わらず動くね」と第一声。「ただ、右トモ(後肢)がちょっと気になる…。俺の(笑い)」と報道陣を笑いに包んだ。
ここまで他の追随を許さない
JRA通算4465勝。「早く復帰することだけを考えていました。ケガしてから何もしなかった日はないですね。ありとあらゆることをやってきました」。ついに帰還する
スーパージョッキーが、また印象的な勝利を積み重ねていく。
スポニチ