武豊復帰!2歳マイル王決定戦「第75回
朝日杯FS」の追い切りが13日、東西トレセンで行われた。栗東坂路では夏に
コスモス賞を6馬身差で制した大器
エコロヴァルツが今週からレース騎乗を再開する
武豊を背に迫力満点のデモ。相手関係は未知数ながら鞍上の期待の大きさを知れば蹴散らすシーンもあり。同レースは14日に出走馬が決まり、枠順が発表される。
戦列復帰の
モチベーションを一気に引き上げる最終追いだった。2戦無敗で大器と評判の
エコロヴァルツの鞍上には
武豊。朝イチ、坂路の併せ馬で手応えをつかんだ。
迫力が違う。先行する
タイセイランナー(3歳1勝クラス)に馬なりで並びかけ、楽に2馬身先着。もちろん切れる脚は温存。前進気勢だけで抜き去った。時計は4F(800メートル)54秒6〜1F12秒3と意識的に抑えた。もし鞍上から何らかのアクションがあれば、瞬時にちぎって、目をむく猛時計を叩き出したはず。非凡な瞬発力は本番まで取っておく。注目の
武豊の第一声は「馬力が凄いね」だった。
「調教に乗るのは初めて。3馬身ぐらい後ろから行って最後に並びかけるように、とのこと。いい動きだった。能力は高いと思う。フットワークのいい馬で跳びが大きく、素質を感じる。スタートは早い方ではないだろうけど、マイルに関しては全く問題ない」
来週は
有馬記念(
ドウデュースに騎乗)が控えるが、その前に
朝日杯FSで完全復活をアピールするか。
エコロヴァルツは札幌の
コスモス賞以来、4カ月ぶりの実戦で重賞も未経験。今回、有力視される馬とも未対戦。それでも関係者の話を聞けば、非凡な将来性が手に取るように分かる。牧浦師が言う。
「今日は前に馬を行かせて我慢させる内容。反応を確かめていただきました。前進気勢が強いですが、ひと夏を越して体もひと回り大きくなり、気性的にも成長しました」
デビュー前から評判の1頭で、
コスモス賞で
武豊が初コンタクト。名手は一瞬で非凡な資質を見抜いたと牧浦師は話す。
「ジョッキーは“いい背中をしているね、この子”と言ってくれました。あれだけ数多くのいい馬に乗って来られたジョッキーが言うんですからね。力をつけてくれば、もっと走れると思います」
追い切りであえて封印した爆発力を阪神マイルで解き放てば全馬蹴散らす圧勝もある。師走競馬、待ってました!とばかりに千両役者が盛り上げる。
スポニチ