パワフルに駆け上がった。
ジャンタルマンタルは坂路2本目の直前に川田にスイッチ。初コンタクトとなった最終追いは単走で感触を確かめた。最初の1Fを15秒0で入り、徐々に加速していく。時折、フラフラする面を見せながらも、ギアを切り替えるとグイグイ加速。最後は手綱を抑えて自己ベストをコンマ4秒更新する4F52秒9、ラスト1Fはこの日3位タイの11秒8を刻んだ。時計が示す通りの躍動感だ。高野師は「ジョッキー(川田)に伝えていた時計より少し速くなったが、能力が高いので時計は想定していた通り。動きは凄く良かったし、ジョッキーも素質を感じてくれたようで、いいコンタクトを取れたと思います」と納得の表情を浮かべた。
秋の京都開幕週の芝1800メートルで初陣Vを飾り、続く
デイリー杯2歳Sで重賞初制覇。いずれも好位から抜け出す優等生のレースぶりだった。とりわけ、前走は開催が進んで芝の内側は荒れたコンディション。外差しが利く馬場にもかかわらず、内ラチ沿いから力強く抜け出した。高野師は「デビュー当初からセンスのいい馬だと思っていたんです。前走は見ていて安心できるポジションで運べて、最後もいい脚を使ってくれました」と振り返る。
希少価値のある血が日本の芝にマッチした。父
パレスマリスは13年に米クラシック3冠最終戦
ベルモントS(2400メートル)、14年に
メトロポリタンハンデキャップ(1600メートル)とダートG1を2勝。その父の半弟にあたる
ジャスティンパレスは今年の
天皇賞・春を制した。「産駒のサンプルが少ないので何とも言えないが、父が2400メートルをこなし、母(
インディアマントゥアナ)が芝2200メートル(18年米G3
レッドカーペットハンデキャップ)を勝っているので、スタミナは秘めていると思う」と分析。坂のある阪神に替わっても気にならない。2歳マイル王へ、無敗ロードを突っ走る。
《高野師牡馬でもG1Vへ》11年開業の高野師は14年
秋華賞の
ショウナンパンドラで
JRA重賞初制覇を挙げ、現在
JRA重賞25勝。このうち牝馬で17勝、先月19日の
マイルCS(
ナミュール)を含め、
JRA・G15勝は全て牝馬でものにしている。牝馬の活躍が目立つが現2歳世代は12勝中、牡馬が7勝。28日の
ホープフルSは新馬、
野路菊Sと連勝中の
ヴェロキラプトル、
東スポ杯2歳S4着
ショウナンラプンタがスタンバイ。
ジャンタルマンタルを合わせ、牡馬でもG1獲りへ…と期待が高まっている。
スポニチ