◆朝日杯FS追い切り(13日・栗東トレセン)

　第75回朝日杯FS・G1(17日、阪神)の出走馬16頭が13日、東西トレセンで最終追い切りを消化した。デイリー杯2歳S覇者のジャンタルマンタルは栗東・坂路で自己ベストを0秒4更新。無傷の3連勝での栄冠を視界にとらえた。

　3連勝でのG1制覇へ、視界良好だ。ジャンタルマンタルは新コンビを組む川田を背に、栗東・坂路の馬場の真ん中を弾むようなフットワークで駆け上がった。坂路での2本追いが高野厩舎流。2本目は52秒9―11秒8で自己ベストを0秒4更新した。高野調教師も「気持ち(少し)時計は速くなりましたが、馬の能力が高い上に(体重の軽い)ジョッキーですから。心配するものではない」と満足げだ。

　数字が成長を物語る。最終追い切りタイムは新馬戦前が59秒4で、デイリー杯2歳S前が54秒2。今回は前走より時計を1秒以上も縮めた。「以前は常歩(なみあし)に力がなかったですが、力強くなっている。体力がついて、しっかりしてきましたね」とトレーナー。「素質を感じてくれたみたいですし、いいコンタクトをしてくれたと思う」と、川田との新コンビにも手応えをにじませた。

　「能力の高さと競馬センスの良さ。機動力もあります」。トレーナーが長所を挙げるように、新馬戦とデイリー杯2歳Sは、2歳馬離れした大人びた内容。スタートを決めてスッと好位に取り付くと、馬群にひるむこともなく直線も力強く脚を伸ばす“横綱相撲”での連勝だった。「直線の坂も問題ないと思いますし、馬の能力を信じている」。過去2戦はともに京都だが、阪神へのコース替わりも心配ない。

　1984年のグレード制導入後、無敗での戴冠は17頭。近10年は実に7頭が無敗で頂点に立っており、指揮官は「G1のタイトルを取れる貴重な機会。馬のためにも、何としても取りたいという強い思いで臨みたい」と並々ならぬ意気込みをにじませた。まずは仁川のマイルで2歳王者のタイトルを奪取し、堂々と、来年のクラシックの主役候補に躍り出る。(戸田　和彦)

スポーツ報知