国内外のG1を6連勝し、歴代1位となる22億1544万6100円の賞金を獲得した
イクイノックス(牡4歳、美浦・木村)の引退式が16日、中山競馬場で行われた。今後は種牡馬として第2の馬生を過ごすが、歴代2位の19億1526万3900円の賞金額を誇る
アーモンドアイに種付けする
ビッグプランが浮上。順調なら2025年、超良血“40億円ベビー”が誕生する。
場内に残った1万6000人のファンが見守るなか、カクテル光線に照らされた
イクイノックス。堂々とした様子で、静かにファンとの別れの時間を過ごした。通算成績10戦8勝、昨年の
天皇賞・秋からG16連勝を決め、歴代1位となる22億円超の賞金を獲得して種牡馬入り-。そんな希代のスーパーホースに、
ビッグプランが持ち上がった。
きっかけは、引退式の中で答えたルメールのひと言だった。「
アーモンドアイと
イクイノックスの子どもは、また世界一になれる」。それを受け、ノーザン
ファームの吉田勝己代表は「(
アーモンドアイを)付けざるを得ないでしょう」と最強花嫁との種付けを認めた。イクイの6冠に
アーモンドアイの9冠で計15冠、2頭の現役時代の獲得賞金を足すと40億円超。順調なら2025年にも究極のサラブレッドが誕生しそうだ。他にも大物繁殖牝馬がスタンバイしているといい、同代表は「いいのを付けますよ。ズラリと。候補はいっぱいいます」と期待をかけていた。
17日に福島県のノーザン
ファーム天栄を出発し、18日の午前中には北海道安平町の社台スタリオン
ステーションに到着予定。同代表は「天皇賞では1分55秒2という時計を簡単に出しちゃうし、ドバイもすごかったし、全部のレースがすごかった。世界中からオ
ファーが来ますよ。今は
サンデーサイレンスの血がすごいから、世界中から求められると思う。頂点で引退するのが大事なんですよ。次につながるというのが楽しいんです」と壮大な夢を描く。世界No.1の遺伝子を持つ子どもたちが、ターフを躍動するのは4年後。どんな走りでファンを驚かせてくれるのか、待ち遠しくて仕方がない。
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ルメール「最初から能力を見せてくれていましたし、絶対スーパースターホースになれると思っていました。フィジカルとメンタルがすごかった。子どもにはもちろん騎乗したいです」
木村哲也師「凝縮された2年間でした。引退の日を迎えてホッとしています。子どもで東京2400メートルのG1レースにまた、スタッフとともに戻ってきたいと思っています」
(有)シルクレーシング米本昌史代表「この秋の完成形とも言える走りは力強くてしなやかで、見るものを全て魅了するものであったと思います。父
イクイノックスという競走馬がまたこのターフで躍動することを楽しみにお別れしたいです」
提供:デイリースポーツ