2023年の2歳新馬も残すところ僅か。このタイミングで今年の2歳新馬戦を厩舎別成績で振り返ってみたい。成績検証は12月10日までの結果になるが、勝利数トップだったのは
高野友和厩舎の8勝。これに次ぐ、7勝が
木村哲也厩舎、
友道康夫厩舎となっている。
勝率でトップは60%の
堀宣行厩舎。10頭がデビューして6勝と素晴らしい成績だが、逆にこの時点でまだデビューしていない2歳馬がたくさんいるということになる。いずれにせよ、ここで登場した厩舎は常にリーディング上位にいる名ばかり。やはり2歳戦を制することが成績の安定に繋がる時代といってよいだろう。
【12月23日(土) 阪神芝2000m】
◆
フェヴリエ(牡、父
Sea The Stars、
母アムールブリエ、栗東・
松永幹夫厩舎)
母はAmour Briller。カタカナ表記にすると
アムールブリエ。祖母は
ヘヴンリーロマンスということで、
松永幹夫厩舎ゆかりの血統である。ちなみに半姉
ルーチェット(父
キズナ)はダートで3勝を挙げている。
本馬は11月23日にゲート試験を合格。当時は「全体的に大きな馬で、乗り込んで体力がついてくれば」という
松永幹夫調教師のコメントだったが、実際の追い切りではそれなりに動けている。12月6日の坂路では4F53.2秒、2F24.7秒をマーク。そして、先週のCWではレースでも騎乗予定の
C.ルメール騎手が跨って、3頭併せの真ん中で最先着。時計も6F84.0秒をマーク。「ス
トライドが大きい分、切れる脚がどうかとは思いますが、動き自体は良かったですね」と同師。
◆
アンジョルラス(牡、父
キズナ、
母ラビルキン、栗東・
松下武士厩舎)
きょうだいは
JRAでなかなか勝利を挙げることができていないが、母は現役時代にアルゼンチンで重賞を4勝している。本馬は2022年セレクトセール1歳にて、2000万円で落札されている。
10月19日のゲート試験に合格した後、牧場で調整しての栗東入厩。12月6日の坂路では4F52.9秒をマークして、古馬1勝クラスを追走先着。2F24.4秒と素晴らしい脚力を見せていたが、先週の坂路ではレースでも騎乗予定の
岩田望来騎手が跨って、古馬3勝クラスを追走して先着。4F53.7秒、2F24.5秒の時計をマークして、動きの良さをアピールしている。
【12月23日(土) 中山ダート1800m】
◆
ブルーワール(牡、父
Arrogate、
母Ignite、栗東・
高柳大輔厩舎)
日本で活躍する父産駒には阪神ダート1800mの新馬戦で2着に2.4秒差をつけた
ジュタロウ(現4歳3勝クラス)や、現3歳で阪神ダート1800mの未勝利、1勝クラスを連勝した
ミスティックロアなどがいる。
本馬は11月8日のゲート試験を合格した後、一旦放牧に出ての再入厩。12月9日の坂路ではラスト1Fが12.2秒をマークしたこともあり、12月14日のCWは「もっと切れるタイプかと思った」という
高柳大輔調教師の評価だったが「ス
トライドが大きくて
パワータイプ。初めてのCWでの追い切りでしたし、6F82.8秒なら合格点の動きでしょうか。騎乗してくれた
亀田温心騎手は『まだ自分から動いていこうという気がない』と話していたので、このひと追いで気持ちも乗ってくれば」とのこと。鞍上は
横山武史騎手が予定されている。
【12月24日(日) 阪神芝1600m】
◆
アムールリーベ(牝、父
シルバーステート、
母テルアケリー、栗東・
友道康夫厩舎)
半姉に東京芝1600mの新馬戦を勝って、
エフフォーリアの勝った
共同通信杯では3番人気の支持を受けた
レフトゥバーズ(
父ディープインパクト)がいる。本馬は2022年セレクトセール1歳にて、8000万円で落札されている。
9月28日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩して、10月5日にゲート試験を合格。その後は牧場へ戻って調整を進め、11月28日に栗東へ再入厩。12月6日のCWで単走ながら6F82.4秒をマークして、スピードのあるところを見せたが、先週のCWでは
有馬記念に出走予定の
ヒートオンビート、1戦1勝の
アドマイヤテラを相手に3頭併せ。
アドマイヤテラには先着して、
ヒートオンビートとは互角の動き。併せ馬でもしっかり動けていた点は評価できる。鞍上は藤岡康太騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)