初コンビの鞍上が力をフルに引き出した。「第75回
朝日杯FS」は17日、阪神競馬場で17頭で争われ、
川田将雅(38)騎乗の1番人気
ジャンタルマンタルが直線、早め先頭の競馬で押し切ってデビュー3連勝。
グレード制が導入された84年以降では3年連続18頭目の無敗2歳マイル王が誕生した。
高野友和師(47)は
JRA・G16勝目、牡馬では初の
ビッグタイトル獲得となった。
イチかバチか、思い切って動いた。4角手前に差しかかり、川田に導かれた
ジャンタルマンタルがスルスルと進出。直線、馬場の奇麗なところに進路を取ると瞬時に後続を突き放す。早めに動いた分、最後はいっぱいの脚色になりながらも大外から迫る
エコロヴァルツの追い上げを1馬身1/4差でかわし、G1初制覇のゴールに飛び込んだ。川田は「道中はリズム良くスムーズに走れました。4角をいい形で運べそうになかったので(ここが)勝負どころだと思って攻めていきました」と回顧。「早めに踏んだ分、苦しい競馬になりましたが最後までしっかり脚を使ってくれました」と初コンビの相棒を称えた。
デビュー前から期待された存在だ。夏場のゲート試験合格後はいったん放牧へ。心身ともに大きく成長して栗東に帰厩した。秋の京都開幕週に照準を合わせて新馬勝ち。続く
デイリー杯2歳Sで弾みをつけ、一気にこの路線の頂点へ。21年
ドウデュース、22年
ドルチェモアに続き、無敗3連勝で2歳マイル王の座を射止めた。高野師は「秋になって体のパーツがしっかりして見違えるように成長した姿で帰ってきたんです。レースはジョッキー(川田)に一任。楽ではない位置取りだったが、うまくさばいて強い競馬をしてくれたと思います」と殊勲の人馬をねぎらった。
11年開業の高野師は
ショウナンパンドラで14年
秋華賞、15年
ジャパンC、
レイパパレで21年
大阪杯、
スタニングローズで22年
秋華賞、そして先月19日に
ナミュールで
マイルCSと
JRA・G1を5勝していたが牡馬は初めて。「
ジャンタルマンタルは素晴らしい馬。2歳G1も一つのゴールだが来年に向けて新たなスタート地点に立ったと思います」と春を見据えた。
来年からダーレー・
ジャパン(北海道日高町)での供用が発表された父
パレスマリスは米国で13年
ベルモントS(2400メートル)、14年
メトロポリタンハンデキャップ(1600メートル)とダートG1を2勝。
母インディアマントゥアナは18年に芝2200メートルの米G3
レッドカーペットハンデキャップを制している。父の半弟に今週、
有馬記念出走予定の
アイアンバローズ&
ジャスティンパレスがいてスタミナ豊富な血脈。「心臓がいいし、血統的に長い距離も大丈夫だと思います」。今後は宮城県の山元トレセンに放牧へ。「まだ緩いところがあるので、厩舎一丸で取り組んでいきたい」と表情を引き締めた。もちろん、伸びしろは十分。まずは英気を養い、成長を促してクラシック戦線に備える。
スポニチ