「
有馬記念・G1」(24日、中山)
今週の「血学教室」は
有馬記念特別版。幼い頃から血統書を読みあさってきた松浦孝司記者が、出走メンバーを精査して勝ち馬候補を探った。決め手となったのは『中山芝二五』の舞台適性。父
ドリームジャーニー、叔父
オルフェーヴルが歴代覇者に名を連ね、自身も全4勝を中山で挙げている
スルーセブンシーズに要注目だ。単なるG3馬と侮るなかれ。最強馬を追い詰めた
宝塚記念は、決してフロックではない!
世代間の戦いが面白い
有馬記念。まずは、
グランプリ初参戦となる3歳勢の舞台適性を血統面から探る。
ソールオリエンスの父
キタサンブラックは、17年に有終V。3度目の挑戦(15年3着、16年2着)で悲願を成し遂げた。何と言っても、種牡馬として昨年の覇者
イクイノックスを輩出したのは心強く、ソール自身もストロングポイントである“一瞬の切れ味”を生かせる中山芝に変わるのは好材料だ。半兄
ヴァンドギャルド(
父ディープインパクト、20年
富士S覇者)はマイル〜中距離型。
菊花賞からの距離短縮は間違いなくプラスだ。
タスティエーラは、16年
香港ヴァーズと17年
宝塚記念を制した
サトノクラウンの子。父は中山芝で
弥生賞を制しているものの、15年
皐月賞は6着、17年
有馬記念は13着に惨敗した。コース適性にやや不安が残るが、01年覇者の母
父マンハッタンカフェから立ち回りのうまさを補えている印象。牝系は4代
母クラフティワイフから続く短距離ダートの血筋。こちらも距離短縮は歓迎だろう。
対する古馬勢は09年覇者
ドリームジャーニーを父に持つ
スルーセブンシーズに注目だ。父の全弟
オルフェーヴルは11&13年覇者で、きょうだいそろって中山芝2500メートルの適性は“鬼”。本馬も全4勝が中山芝という巧者ぶりで、半姉
パッシングスルー(父
ルーラーシップ)も19年
紫苑Sを制している。
ジャパンC3着で地力を再認識させた
スターズオンアース。父
ドゥラメンテは有馬不出走だが、中山芝は15年
皐月賞、16年
中山記念と2戦2勝。母父スマートス
トライクから米国系のスピードを受け継ぎ、母系を探れば近親に17年
オークス馬
ソウルスターリングがいる血筋。小回りでも常に上位争いに加わっており、底力でねじ伏せるシーンもあり得る。
ジャスティンパレスは問答無用の
ディープインパクト産駒。母系に宿る成長力は素晴らしく、引き続きV争いは必至だろう。
あえて序列をつけるなら、ト
リッキーな舞台への適性が高い
スルーセブンシーズがトップ評価。晴雨兼用である点も強調材料だ。以下、
皐月賞Vが光る
ソールオリエンス、底力のある
スターズオンアース、成長急な
ジャスティンパレス、ダービー馬
タスティエーラの順とする。
提供:デイリースポーツ