24日(日)、中山競馬場で行われる
有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)では、毎年その一年に起きた出来事にまつわる「世相馬券」が話題に上がる。暮れの
グランプリの風物詩ともなっているが、今年はなんといっても大記録が誕生した将棋界に焦点を当て、今年の当たり馬券を導きたい。
まだ記憶に新しい10月11日。第71期王座戦5番勝負の第4局が京都で指され、藤井聡太七冠が138手で永瀬拓矢王座を破り、藤井八冠が誕生した。将棋界の八大タイトルを独占するという前人未到の偉業。羽生善治九段が96年の2月14日に王将戦を4戦0敗で制して全冠制覇を達成しているが、18年に叡王戦が加わって八冠となってからは初の出来事だった。なお、羽生九段が快挙を達成した96年の
有馬記念を振り返ると、同年に
天皇賞(春)を勝利していた
サクラローレルが制している。
そのほかの年で、同年における春の天皇賞馬が
有馬記念を制した例は5つある。85年
シンボリルドルフ・89年
イナリワン・00年
テイエムオペラオー・06年
ディープインパクト・17年
キタサンブラック。どの馬もその時点でGIタイトルを複数持っていた名馬ばかり。しかし
イナリワンと
テイエムオペラオーの間の、96年
サクラローレルだけは
天皇賞(春)の“一冠”のみだった。
今年は春の天皇賞馬として
ジャスティンパレスが参戦を予定しているが、96年
サクラローレルと同じく今年の
天皇賞(春)が初GIタイトルで、現時点で“一冠”。さらに
天皇賞(秋)で3着以内に好走しての臨戦過程まで類似する。「藤井聡太八大タイトル獲得」から=
タイトルホルダーという声も多く聞かれるが、今回は96年と23年における将棋と競馬の“共通項”に注目。世相馬券には
ジャスティンパレスの単勝馬券をおすすめしたい。