「有馬記念・Ｇ１」（２４日、中山）

　グランプリ男が暮れの中山に帰ってくる。史上最多となる有馬記念４勝を誇る池添謙一騎手（４４）＝栗東・フリー＝が、凱旋門賞４着馬スルーセブンシーズで参戦。同馬の父・ドリームジャーニーで０９年に自身初の有馬Ｖを達成したとあって、当然のことながら親子制覇へ懸ける思いは強い。決戦を前に、デイリースポーツへ意気込みを語った。

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　-昨年の有馬記念は落馬負傷中のため騎乗できず。改めて今年にかける思いは。

　「ゲストで中山競馬場へ呼んでいただきましたが、歯がゆいというか…。来年こそは、この舞台に戻ってきたいと強く思いました。正直、『ダービーは１Ｒから違う』っていうじゃないですか。有馬もやっぱり１Ｒから違うんですよね。雰囲気がめちゃくちゃあるし、年末の風物詩というか、みんなが雰囲気をつくり上げる。大いに盛り上がるし、乗るジョッキーとしても気合が入る特別なレース。だからこそ勝負になる馬に乗れるというのは、すごく感謝の気持ちが強いです」

　-スルーセブンシーズとは２度目のコンビ。宝塚記念ではイクイノックスを追い詰めての２着。

　「乗る前にいい状態だと聞いていましたし、映像も見ていました。ただ、どんなストライドで走るかとか、雰囲気に関してはレース前に感じなきゃいけなかったけど、返し馬の感じや歩いている時も、いいオーラをまとっているなと。これなら“ワンチャン勝負になるんじゃないか”と思いました」

　-レース内容は。

　「４角の進路が狭くなってしまい、そこで切り替えるロスがあった。スムーズだったらもっと際どいレースだったんじゃないかなって。２着で悔しい気持ちの方が強かったですね。若干、不完全燃焼でしたけど、今年に入っての勢いは見せてくれたと思います」

　-前走の凱旋門賞はどう見た。

　「まず馬場状態が日本馬向きだなと思いました。ここ２、３年は馬場状態がすごく悪くて日本馬にとって負担も大きかった。やっぱり去年とか一昨年とか、ダメージを持ち帰ってきている馬が多い。その中でいい馬場でちゃんと力を発揮できたというのは、今回に向けて、いいのかなという感じはあります。レースに関してもエースインパクトと同じような位置から、向こうはスムーズに外に出せたけど、こちらはフタをされて進路を探しながら。それでもしっかり伸びていたように、いい内容でした」

　-父は思い入れの強いドリームジャーニー。この馬の特徴は。

　「走り方はお父さんと全然違いますね。父はピッチで、スルーセブンシーズは大きいストライド。ただ、長く脚を使えるという部分は共通しています。また、体形に関してはコンパクトで小さかった父より、ワンサイズ大きくて縦長かな。僕個人としては、ドリームジャーニーの子どもも、もうほとんどいないので親子制覇というのは強く思っています」

　-適性はあるか。

　「重賞のタイトルも中山で獲っていますし、コース自体は大丈夫だと思います。阪神も似ているので、だから走れていると思いますしね。あとはもう２５００メートルの距離の部分と、トリッキーなのでね、有馬記念は。めちゃくちゃ枠も並びも大きい。まずはそこが、最初の勝負です（笑）」

　-希望の枠は。

　「やっぱり真ん中より内。レースも組み立てやすいし、外より内に越したことはない。最初のコーナーまでの距離が短くて、みんなポジションを取りたがるので。いいポジションを取りつつ、スムーズに回ってこられるかが一番大きい」

　-有馬史上最多の４勝。攻略のツボは。

　「位置は前じゃないと駄目ってわけじゃないです。僕が勝たせてもらったドリームジャーニーもオルフェーヴルも後ろから。最初のコーナーの入りで、いかにリラックスしていけるかが大事。結構みんなポジションを取りに行くのでね。その後ペースは落ちるんですが、歓声が上がるので力むところが出てくる。そこでも、いかにリラックスして回れるか。また３コーナーからガラッとペースが変わるので、そこで流れに乗れるかが大事」

　-今年こそはＧＰ男の意地が見たい。

　「クリストフ（ルメール）が（勝利数で）迫ってきているから離さないとね（笑）。並ばれたら言われなくなっちゃうんで。今年は僕…ケガが言い訳になっちゃいますけど、本当にふがいない成績でした。その中で有馬で最後結果を出せれば。終わり良ければ全て良し、という感じになればいいね。有馬が終わったら去年手術したところを抜釘するので、ホープフルは乗らずに最後なので」

　-気分良く締めたい。

　「そうやってコメントできれば、と思います（笑）」

提供：デイリースポーツ