◆第68回
有馬記念・G1(12月24日、中山競馬場・芝2500メートル)
有馬記念(24日、中山)の「考察」特別編は山下優、角田晨両記者が注目の血統馬をピックアップした。
<冬の中山芝には
パワーが必須 欧州色が濃い血統、
ソールオリエンスねらい目=角田>
冬の中山芝には
パワーが必須だ。近10年間の12〜1月における中山芝1800〜2500メートルでは、50走以上している種牡馬で勝率1位が
エピファネイアの14・6%、同2位が
モーリスの14・5%。ともに父系が英ダービーを制したロベルトに行き着く血筋で、日本産馬ながら欧州色が濃い。
また近20年の
有馬記念勝ち馬のうち15頭が、父方から
サンデーサイレンスの血を引く種牡馬の子。日本競馬最強の血は、この舞台でも欠かせない。サンデー系と欧州血統の馬を併せ持った馬を積極的に狙いたい。
ソールオリエンスだ。父
キタサンブラックはサンデー系で、自身も
有馬記念で〈3〉〈2〉《1》着と素晴らしい成績を残した。産駒の
イクイノックスも昨年勝利を収め、父子制覇を達成していることも強調材料だ。
母系では母の父モティヴェイターが英ダービー馬で、1999年に不良馬場の
凱旋門賞を勝った
モンジューの産駒。タフな欧州血統の下地があるうえ、さらに牝系を遡ると96年にこのレースを制した
サクラローレルの父レインボーク
エスト(85年
凱旋門賞馬)も出てくる。
ソールオリエンス自身も重馬場の
皐月賞を圧倒的な末脚で制したパフォーマンスを考えれば、
パワーの要る馬場が合うのは間違いない。半兄
ヴァンドギャルドなど兄姉が挙げた計11勝のうち10勝はマイル以下でもあり、距離短縮も歓迎。強豪古馬が相手でも、十分に勝利が期待できる。(角田 晨)
<全兄
アルアインが
皐月賞V
シャフリヤールは中山コースの適性十分=山下>
同じく父子制覇がかかる
シャフリヤールは意外にも中山初出走だが、全兄
アルアインが17年の
皐月賞を制していることから、中山コースの適性は十分とみる。また、
父ディープインパクトの産駒で
有馬記念を勝った
ジェンティルドンナ(14年)と
サトノダイヤモンド(16年)の母の父は、ともに芝1200メートル重賞の勝ち馬。「
ディープインパクト×『短距離適性が高い母系』」はこのレースと相性がいい。
シャフリヤールの
母ドバイマジェスティも10年ブ
リーダーズCフィリー&メアス
プリント(ダート1400メートル)の勝ち馬で、この組み合わせに合致する。
スポーツ報知