【G1ドキュメント・美浦=20日】
スルーセブンシーズも稽古の動きは素晴らしい。13日にWコースで自己ベスト5F64秒1。最終追いも前肢を豪快にかき込む走法で5F65秒9〜1F11秒2を楽に計時した。その充実ぶりは疑いようがない。
田井がどうしても気になるのは14日撮影の立ち写真。左前肢の蹄に、
宝塚記念時になかったエクイロックス(接着装蹄)の補強痕があった。「蹄はサラブレッドの第2の心臓」という。その瑕疵(かし)は見逃せない。一方で、
藤沢和雄元調教師の金言に「強い馬が本格化すると蹄にくる」とある。スルーの“変化”はどっちだ。
尾関師によれば、接着装蹄は世界を驚かせた
凱旋門賞(4着)の中間も使用。「ネガティブな変化ではない」と言い切った。かつてルメールが「水かきがついている」と評した頑強なスルーの蹄。今の彼女はそれをもってさえ補強が必要になるほどに力強く、四肢を地面に叩きつけているということだ。「心身がかみ合って成長」(尾関師)し、本格化という言葉では言い足りない。例えるなら「
ドラゴンボール」孫悟空の界王拳(
パワーアップの奥義)!?体への負担は増すが、
パワー、スピード、破壊力が増強。今なら宝塚で首差及ばずの
イクイノックスにだって届くかも…と夢想させる覚醒状態にある。その“
ラスボス”がいないのならば、突き抜けるのみか。
スポニチ