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【有馬記念】まるでチーター! スルーセブンシーズ抜群の手応えラスト11秒2 尾関調教師「想像以上に成長しています」

スポーツ報知
  • 2023年12月21日(木) 06時00分
◆第68回有馬記念・G1(12月24日、中山・芝2500メートル)=12月20日、美浦トレセン

 中央競馬の今年の総決算となる第68回有馬記念(24日・中山)の追い切りが20日、行われた。馬トク取材班が上昇度から見極めた最高評価「G」は、凱旋門賞4着から臨戦するスルーセブンシーズ(牝5歳、美浦・尾関厩舎)。角田晨記者が最高の状態と確信した理由を「見た」。枠順は21日に公開抽選会で決定する。

 * * *

 追い切り後の囲み取材で尾関調教師は「どうでしたか?」と、逆に問いかけてきた。それだけ手応えがあったのだろう。スルーセブンシーズは20日、茨城・美浦トレーニングセンターのWコースで1000メートル65秒9―11秒2をマーク。当週は抑え気味だったものの、前脚のかき込みの力強さは尋常ではなかった。一歩一歩、踏み込むたびに強じんな上腕筋に引っ張られた体は宙を浮くように前進し、空中でしなやかに伸びる四肢は例えるなら地上最速の動物チーターのようだった。

 武豊はあのディープインパクトを「走るというより飛んでいる」と評したが、馬に乗ったことのない自分にも、その感覚の一片が分かったような気がした。調教評価でおなじみの「パワフルな脚さばき」は、今回の追い切りのためにある言葉だと思った。

 シャープさとたくましさを兼ね備えた馬体は、今が充実期という印象で、ライバルスターズオンアースに騎乗するルメールが「(スルーセブンシーズは)良さそう」とぽつりと言っていた。トレーナーも「乗り手が『思ったより時計が速かった』と話しているし、それだけ状態がいいということでしょう」と、仕上がりに胸を張った。今年1月にオープン入りした遅咲きの牝馬が、ビッグタイトルに手が届くところまできている。

 唯一の不安要素は2500メートルという未知の距離。トレーナーも「今までと違うので走ってみないと分からない」と、慎重に言葉を紡ぐ。だが、前走の凱旋門賞でタフなパリロンシャンの2400メートルをこなしたのだから、コーナー6つの中山は問題にしないはず。何より父ドリームジャーニーも制した舞台で、当時と同じ池添が乗るのが力強い。

 尾関調教師は「凱旋門賞で4着なんて、考えてもいなかった。想像以上に成長しています」と感慨深げ。枠順を見たうえでだが、ドリームレースで私の夢を託してみたくなる一頭だ。(角田 晨)

 〇…スルーセブンシーズの手綱を執るのは、有馬記念で最多4勝を挙げる池添謙一騎手(44)=栗東・フリー=。初コンビだった宝塚記念ではイクイノックスに首差2着の好走に導いている。前走の凱旋門賞の内容も踏まえ「G1未勝利で実績では劣りますが、十分勝負になる馬です」と5勝目へ意欲満々。21日に行われる公開枠順抽選会へ「外枠不利のデータが出ているレースですし、非常に大事になります」と、気を引き締めていた。

 ◆同年の宝塚記念有馬記念でともに3着内に入った馬 1984年のグレード制導入後では延べ27頭。2009〜14年は6年連続で3着内に入るなど、近年になって関連性は高まっている。19〜21年はリスグラシュークロノジェネシスと牝馬が好走。今年は宝塚記念1着のイクイノックスが引退し、2着スルーセブンシーズ、3着ジャスティンパレス有馬記念に出走予定。

スポーツ報知

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