暮れの
グランプリ(第68回
有馬記念、24日=中山芝内2500メートル)で待ちに待った黄金コンビが復活する。
ドウデュースと
武豊だ。
今年は無念の出走取り消しとなった
ドバイターフに、鞍上のケガ(右太ももの筋挫傷)で急きょ乗り替わりとなった
天皇賞(秋)と2度の不運があり、コンビでの出走は
京都記念制覇以来、実に10か月ぶり。“有馬よければすべて良し”の格言ではないが、この大一番でたまったうっ憤をすべて晴らしてもらいたい。そう願うファンは多いことだろう。もちろん、名手にとっても“
ドウデュースとともに――”の思いは強い。
「頼もしいパートナーで、自分の支えになっている馬。昨年は一緒にダービーを勝てたが、
凱旋門賞(19着)で悔しい思いをしたり、今年のドバイではレースに出ることができなかったりで、ともに苦しい思いもしてきた。それらをすべて
有馬記念で晴らせたら」
ケガを負った当初は「腫れてヒザが曲がらなかった」ほどのダメージだったようだが、大一番への
モチベーションを励みに前週に戦線復帰。
朝日杯FSでは
エコロヴァルツに騎乗して2着に好走するなど、復帰初週からさすがの存在感をアピールしてみせた。
「(
ドウデュースの)この秋3戦のプランは早くから決まっていて、すごく楽しみにしていた。ファンの方からも“一日も早く復帰を”と励ましをもらって、有馬は何とか乗りたいと思っていました。ワクワクしますね」
武豊の思いに呼応するように
ドウデュースもまた絶好の動きを見せている。自身が騎乗した1週前追い切りはウッド7ハロン99.0-11.0秒の好時計をマーク。「素軽くて反応も抜群。手前もスッと替えてくれました」と好感触を伝えたレジェンドは「
天皇賞(秋)(7着)の1週前追いでは休み明けという感じがあったけど、今回は
リラックスして走れていたね」と言葉を続けた。
天皇賞(秋)、そして
ジャパンC(4着)と前2走は道中で力みがあったことを踏まえると、これは間違いなく
ポジティブな変化。その中で動きも迫力十分となれば…。
実際、
朝日杯FS、
日本ダービーのGI・2勝はともに叩き3戦目。国内では一度も馬券圏内を外していない黄金タッグで臨む、今回の叩き3戦目はまさに走り時なのだ。
「僕自身も“ひと叩き”して良くなっている感じ。いよいよ大一番ですし、必ずいいレースをしたい。非常に楽しみです」
1990年
オグリキャップ奇跡の復活や2006年
ディープインパクト、17年
キタサンブラックの有終Vほか、
有馬記念でも多くの名勝負を演じてきた名手が、今年はどんなドラマを見せてくれるのか。鞍上同様、ワクワク感を抱かずにはいられない。
(栗東の馼王野郎・西谷哲生)
東京スポーツ