23年も暮れの大一番が近づいてきた。「第68回
有馬記念」(24日、中山)の公開枠順抽選会が21日、東京都港区の品川
プリンスホテルで開かれ、出走16頭の枠順が決まった。今回がラストランとなる
タイトルホルダーは過去2年、不利な外枠に泣いたが、今年はこのレースで有利な内寄り4番を引いた。有終の美を飾る舞台は整いつつある。
タイトルホルダー陣営には、枠順抽選の順番が7番目に回ってきた。
横山和は「僕が2回(過去2年)引いたので、今年は栗田師に引いてもらいたいです」と調教師に譲った。栗田師が引いた枠順は2枠4番。06年
ディープインパクト、14年
ジェンティルドンナと2頭の名馬がラストランVを飾った吉兆枠だ。
「もちろん内めの枠が良かった。
タイトルホルダーと走れるのは楽しいし、ワクワクしてます」
有馬記念のコースは内寄り枠が有利で、横山和は喜んだ。自身にG1初タイトルをプレゼントしてくれた相棒との最後の競馬。さまざまな思いが駆け巡ろうとも「それは終わってから。今は目の前のことに集中したい」と雑念を振り払った。
過去2年にわたり苦杯をなめてきた暮れの
グランプリ。
菊花賞を制し勇躍挑んだ3歳時は痛恨の大外16番。それでも5着に食い込み、翌年の活躍を予感させた。4歳春は
天皇賞・春、
宝塚記念とG1連勝、秋には仏G1
凱旋門賞にも挑戦(11着)した。昨年、名実ともに日本を代表する馬となった
タイトルホルダーは、ファン投票1位で選出された。だがここでも枠順に恵まれず13番。果敢に逃げたものの9着に散った。
栗田師は「一昨年はしんどい枠に決まって、昨年は臨戦過程が厳しかった。今年はローテーション的にも、様子的にも一番いい感じで持ってこられた」と過去2年との違いを強調する。今春の天皇賞でレース中に右前肢ハ行を発症し競走中止。その後、陣営は細心の注意を払って立て直しを図った。前走・
ジャパンCでは先行して5着に粘り、復調気配を示している。
栗田師は
タイトルホルダーとともにさまざまな経験を積んだ。「
JRAのG1を初めて勝たせてもらったのも、海外挑戦させてくれたのもこの子。勝つ時は圧倒的に勝つし、負ける時は“どうしたんだ?!”って想定外のことをしてくれるキャラの濃い馬。中山2500メートルは本質的に合っている条件。自分の競馬に徹していいパフォーマンスをしてほしい」と感慨深げに語った。
「この馬を信じて僕の競馬をするだけです」と結んだ横山和。レース後には引退式が控えている
タイトルホルダー。ラストランVなら最高のフィナーレになる。
《名馬2頭と同じ枠番でラストランへ》
▽06年
ディープインパクト 単勝1.2倍の圧倒的1番人気に支持された
ディープインパクト。4角で大外一気に進出すると直線残り1Fで先頭へ。最後は手綱を緩めるほどの完勝で、2着に敗れた前年の雪辱とともにG17勝目を挙げた。
▽14年
ジェンティルドンナ 12年の3冠牝馬
ジェンティルドンナは好枠を生かし道中3番手。直線では持ち前の切れ味と勝負根性を生かし、並み居るG1馬を倒した。7つ目のG1タイトルを手にし、通算獲得賞金で
オルフェーヴルを抜いた。
スポニチ