中山競馬場で12月24日(日)に行われる
有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)。「
有馬記念の8枠は不利」というのが、競馬ファンや関係者の中で“常識”となっているが、過去30年のデータから検証してみたい。
93年以降、もっとも多く馬券に絡んでいるのが延べ14頭の4枠・5枠で、次いで3枠が延べ13頭で続く。一方で8枠はわずかに延べ5頭だけだ。データは以下の通り。
【1枠】5- 4- 2-37/48 勝率10.4% 複勝率22.9%
【2枠】2- 6- 4-38/50 勝率4.0% 複勝率24.0%
【3枠】4- 5- 4-41/54 勝率7.4% 複勝率24.1%
【4枠】6- 3- 5-44/58 勝率10.3% 複勝率24.1%
【5枠】5- 6- 3-44/58 勝率8.6% 複勝率24.1%
【6枠】2- 1- 6-51/60 勝率3.3% 複勝率15.0%
【7枠】4- 3- 5-48/60 勝率6.7% 複勝率20.0%
【8枠】2- 2- 1-55/60 勝率3.3% 複勝率8.3%
8枠以外は延べ9頭以上が馬券に絡んでおり、隣の7枠でさえ延べ12頭が馬券に絡んでいることを思えば、8枠の延べ5頭がいかに突出して少ないかがお分かりいただけるだろう。
メジロドーベルや
テイエムオペラオー、
タイトルホルダーや
ゴールドシップといった各馬が「8枠」に苦しめられた一方で、勝利した馬は2頭いる。03年に
有馬記念史上最大着差の9馬身差で勝利した
シンボリクリスエスと、08年に先行力と驚異的な粘り強さを武器に制した
ダイワスカーレット。ただし、03年は12頭立て、08年は14頭立てで、フルゲートを割れていた点は付け加えておきたい。
今年は
スルーセブンシーズ(
池添謙一騎手)が8枠15番、
スターズオンアース(
C.ルメール騎手)が8枠16番に入った。前者は
宝塚記念で世界最強馬
イクイノックスをクビ差まで追い詰め、秋には
凱旋門賞で4着に健闘と急上昇中。後者は昨年の二冠牝馬にして、今年もGIで2着→3着→3着と安定した成績を残している。2頭とも実力は間違いなく現役屈指。池添騎手と
ルメール騎手の名手2名が、難しい枠番からどうエスコートするのかも、今年の見どころのひとつになりそうだ。