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【有馬記念】史上初3世代ダービー馬激突 よみがえったドウデュース 暮れの大一番で関西馬が一矢報いる

スポニチ
  • 2023年12月25日(月) 05時29分
 レース史上初めて3世代のダービー馬が激突したグランプリ「第68回有馬記念」は、4歳ドウデュースが鮮やかな復活V。昨年ダービー以来574日ぶりのG1勝利を飾った。管理する友道康夫師(60)は11度目の挑戦で有馬記念初制覇。関東馬優勢が続いた今秋のG1戦線だったが、暮れの大一番では関西馬が一矢報いた。

 逆襲のドウデュース皐月賞で敗れても、凱旋門賞で泥にまみれても、よみがえったダービー馬。たとえ、ドバイで出走取消の苦渋を味わおうと、宿敵イクイノックスに連敗しようとも、心の灯は消えていないはず――。そんなファンの思いが詰まった単勝2番人気。大外から先行勢をのみこむように直線を向いたドウデュース武豊を5万人超の大歓声が出迎えた。

 スタートと同時に13番手まで位置を下げる。「武豊が乗れば、ドウデュースは気持ち良く走る」(友道師)。人馬の呼吸に乱れはない。向正面で8番手まで浮上。先行馬に取り付いた4角はイクイノックスを封じたダービーをほうふつさせる加速だ。武豊の右ムチが飛ぶ。506キロの巨体が弾む。「何とか差してくれ!!」。友道師が声を上げる。残り200メートル、スターズオンアースをかわす。残り100メートル、中山名物の急坂で逃げ粘るタイトルホルダーを測ったように捉えた。オグリキャップトウカイテイオーが奇跡の復活Vを遂げた舞台で輝きを取り戻した。

 今年2月までライバルとして対戦し、来春の厩舎開業を控える福永祐一師は現地で観戦。「さすが千両役者。秋3戦目でこの仕上がりを実現した友道厩舎も凄い」と陣営に感服。「ダービーと有馬記念を勝つ馬なんてそういない。人も、馬もあっぱれだよ」と称えた。ともに国内のホースマンの夢となる大舞台だが、求められる適性がまるで違う。両レースを制したのは史上9頭目。友道師も「距離を不安視する声もあったが払拭してくれた」と名馬の蹄跡をたどった愛馬の激走に感慨深げだった。

 晩成のハーツクライ産駒。本格化を迎えるであろう来年について、指揮官は「オーナーが“忘れたものを取りにいこう”と。おそらくフランスのこと(笑い)」と凱旋門賞への再挑戦に意欲を見せる。松島正昭オーナー(キーファーズ代表)は「ここまで山あり谷あり。本当に勝てて良かった。来春はドバイへリベンジに」とまずは今春、幻となったドバイ再挑戦を目標に掲げた。

 天才イクイノックスが去ったターフを盛り上げるのは、やはり同期のダービー馬。彼ならきっと、日本競馬界の悲願だって…。6年ぶりのイブ決戦。ファンの心にはとびっきりの夢が届いた。

 ドウデュース 父ハーツクライ 母ダストアンドダイヤモンズ(母の父ヴィンディケーション)19年5月7日生まれ 牡4歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・キーファーズ 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績12戦6勝(うち海外2戦0勝、重賞4勝目) 総獲得賞金10億2844万9400円(うち海外118万6400円) 馬名の由来は〜する+テニス用語(勝利目前の意味)。

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