GI競走へと格上げとなって、今回が7回目と歴史の浅いレースだが、GII時代も含めれば中山競馬場で行われた過去9回の勝ち馬の中から
レイデオロや
サートゥルナーリア、
コントレイルなどを送り出したレース。コーナーを4回まわり、そして2度の坂越えが待ち受ける中山競馬場の2000mコースはスタミナとともに器用さも求められるコースだ。将来性はもちろん大事だが、ある程度の完成度も求められる。
◎
ヴェロキラプトルは
野路菊S優勝馬。デビュー戦は逃げただけにやや力むシーンもあったが半マイル通過47.5秒、1000m通過59.3秒の流れの中で折り合いをつけると、最後の直線では早めに先頭に立って後続を完封。ゴール前の急坂でもうひと脚使った印象だ。母は仏国の未勝利馬だが、ジャイアンツ
コーズウェイ×仏
オークス2着という血統。新馬、
野路菊Sともに1800mだったが
スワーヴリチャードとの配合で200mの距離延長はむしろプラスと判断したい。
〇
シンエンペラーは京都2歳S優勝馬。東京競馬場芝1800mの新馬戦を好位から抜け出して楽勝し、前走の京都2歳Sは後方待機から徐々に追い上げ、最後の直線は進路を探すようにして鋭く伸びた。まだ子供っぽさを残す馬だけにコーナーを4度回る競馬を1度でも経験しているのはアドバンテージか。ただし
凱旋門賞優勝馬
ソットサスの全弟で、少し時計がかかる馬場の方が良さそうだ。
▲
ゴンバデカーブースは
サウジアラビアRC優勝馬、逃げたデビュー戦とは打って変わって最後方から。半マイル通過46.9秒の流れを手応えよく追走し、最後は11.2→11.3秒のラップを楽に差し切った。
母アッフィラートは
中山牝馬S3着馬で、祖
母レディオブヴェニスはキャッシュコールマイル招待S優勝馬。今回は2ハロンの距離延長がポイントになりそうだが、将来的には中距離馬というイメージがある。
△
タリフラインは東京競馬場芝1800m新馬戦優勝馬。この時は、ややもっさりしたスタートから半マイル49.2秒のスローペースを後方待機。11.8秒、11.3秒、11.0秒のラップを後方から楽に差し切って抜け出すというのはすごい。母の父に
モンジュー直仔の英国ダービー馬を持つ
サトノダイヤモンド産駒。使われた上積みは大きいはず。
東京スポーツ杯2歳Sで最速上がりを記録した△
ショウナンラプンタ、同じく京都2歳Sで最速上がりタイを記録した△
ディスペランツァと、△
レガレイラも紅一点参加のアイビーSの内容は合格点だった。