「
東京大賞典・G1」(29日、大井)
さすが世界王者の貫禄だ。単勝1・7倍の断然人気となった
ウシュバテソーロが、直線外から力強く伸びて快勝。史上5頭目の連覇を達成した。鞍上の
川田将雅にとっては初の
東京大賞典Vとなった。2着には逃げた同じ勝負服の6番人気
ウィルソンテソーロが粘り込み、3着には4番人気の
ドゥラエレーデが入った。地元・南関東期待の無敗3冠馬
ミックファイアは、出遅れもあって8着に惨敗した。
慌てず騒がず-。まさに世界王者の貫禄を見せつける走りだった。大外枠から前回は追い込んだ同じ勝負服の
ウィルソンテソーロが飛び出すが、
ウシュバテソーロは後方3番手。川田は「この子の走りたいリズムを大事に乗った」と緩い流れもお構いなし。外を回して4角から直線へ。軽快に逃げるウィルソンははるか前方だが、脚も実力も違っていた。馬場の真ん中から一直線でメンバー最速の上がりを繰り出して、ゴール前50メートルできっちり差し切った。
主戦は「自信を持っていたので、ゴールまでに届くと思っていた。ウィルソンもすばらしい走りでしたね」と相手の奮闘をたたえる余裕だった。
昨年は補欠の立場から出走にこぎつけ、G1初挑戦、初Vの大仕事をやってのけた。その後は周知のように、
川崎記念Vを
ステップにドバイWC制覇へと上り詰めた。この秋は勇躍、挑んだ米国ブ
リーダーズCで5着と敗れたが、帰国初戦で見事うっぷんを晴らした。
高木師は「検疫の問題もあって、昨年とは違う調整過程で急仕上げでしたが、よく頑張ってくれました。正直4コーナーでは届くのかなと思ってました。さすがの脚を使ってくれましたね」と胸をなで下ろした。
明けて7歳を迎えるが、トレーナーは「まだまだ元気いっぱい。順調ならサウジ(サウジC=24年2月24日)からドバイ(WC連覇=同年3月30日)を狙っていきたい」と宣言。
レモンポップとともに、日本のダート界を引っ張る“砂王”の挑戦は続いていく。
提供:デイリースポーツ