◆チャンピオンズC・G1(12月3日、中京・ダート1800メートル、15頭立て=良)
昨年のG1の中で最も大勝負して、かすりもしない大惨敗に終わり、予想の根底を完全に覆されたレース。
勝ち馬
レモンポップは自信の無印だったが、その一番の理由が血統。近5年のチャンピオンズCの勝ち馬5頭を含む連対馬8頭の父が、日本の芝G1で勝利していて、父型にも母型にもこの血を持たず、米国色が強く出てパワフルな体形からも距離は持たないと判断した。さらに中京施行の14年以降で大外の16番枠は7頭が出走し全て馬券圏外。外からハナに立つのに脚を使わされ、最後に脚が上がるはず。なのに1番人気は過剰人気では、と。
その考えをあざ笑うかかのうように好スタートから無理せず自分のリズムでハナにたった
レモンポップは手応え良く直線を迎えると坂もものともせず快勝。中間の調整過程のなかで
田中博康調教師が「最もハードルが高いチャレンジ。ただ、これまでも想像を超えるようなパフォーマンスを見せてくれた」と語っていたが、真のスーパーホースは血統、枠順などを超越すると痛感させられた。
そして、美浦・Wコースの追い切りなどで10ハロンから乗られるなど、長めの距離を丹念に乗り込み、1800メートル仕様に仕上げた厩舎力と、人が馬を育てるんだということを改めて思い知らされたレースだった。
レモンポップに携わった全ての方々に心から敬意を表したい。(松井 中央)
スポーツ報知