「
中山金杯・G3」(6日、中山)
2月末で定年を迎える中野栄治調教師(70)=美浦=が、新年の名物重賞に
マイネルクリソーラを送り出す。勝てば19年
函館スプリントS(
カイザーメランジェ)以来、4年半ぶりとなる厩舎の重賞制覇となる。22年にダービー
トライアルの
プリンシパルSで3着に好走した素質馬は、オープン入り2戦目の前走
アンドロメダSで2着。重賞初挑戦で“初夢”をかなえてみせる。
年明け早々から全力仕上げで臨む。2月末で定年を迎える中野師は、騎手として90年ダービーを
アイネスフウジンで逃げ切りV。東京競馬場にいた19万人超のファンから巻き起こった「ナカノコール」は今でも伝説だ。71年に騎手デビューして、96年に厩舎を開業。
トロットスターで01年
高松宮記念、
スプリンターズSを制すなど、調教師としても多くの名馬を育てた。
現在8頭のオープン馬が在籍している中野厩舎から、
マイネルクリソーラが新年の初笑いを狙う。昨夏の
ワールドオールスタージョッキーズ第2戦を
武豊とのコンビで制してオープン入りを決めると、前走
アンドロメダSで2着に好走した。
指揮官も「以前は輸送をするとカリカリしてしまうところがあって、滞在競馬じゃないと駄目だったが、そういうところがなくなってきた。メンタル面の成長がうかがえる」と目下の成長ぶりに目を細めている。
2日朝は美浦坂路を開場一番乗りに駆け上がり、4F66秒2-16秒3。動きを見届けた中野師は「順調だよ。勝ち負けになっていいんじゃないか」とニヤリ。「正月はうちの馬を応援した方がいい。期待できる馬がそろった。“5勝”するよ」。トレーナーの半世紀にわたるホースマン人生のラストスパートへ、その先陣を切る。
提供:デイリースポーツ