海外G1で2勝した
パンサラッサ(牡7歳、栗東・矢作)の引退式が8日、中山競馬場で全レース終了後に行われた。当初は昨年12月23日に予定されていたが、馬の体調を考慮して延期となっていた。
同馬は22年
ドバイターフでG1初制覇を果たし、昨年3月には世界最高1着賞金1000万ドル(当時のレート=約13億2000万円)を誇るサウジCを日本調教馬として初制覇。この勝利で、海外における芝ダート両方の国際G1競走を制した初の日本調教馬となった。国内G1制覇はかなわなかったものの、22年
天皇賞・秋では
イクイノックスの2着に力走。前半5Fを57秒4で飛ばす大逃走を演じ、多くのファンを魅了した。
昨年の
ジャパンC12着がラストラン。主戦を務めた
吉田豊騎手は「海外で大きいところを二つ勝たせてもらいましたが、一番思い出に残っているのは
天皇賞・秋。悔しい思いが強いですね」と振り返り、司会者から「
パンサラッサの子で大逃げをしたいか」と問われると「そういう機会があってほしいなと思います」と笑顔で応じた。
同馬を管理した
矢作芳人調教師は「苦労させられましたね(笑)。彼は
コントレイルと同期。横に天才がいたものですから…。彼は努力の馬。サラブレッドは努力だけではなかなか素質に勝てないものですが、彼はそれを克服した」と褒めたたえた。第二の馬生に「
イクイノックスの子どもを負かしてほしいです!」とエールを送り、見届けた約4000人のファンを沸かせた。
今後は北海道新ひだか町の
アロースタッドで種牡馬入りする。
提供:デイリースポーツ