昨年2月、日本馬として初めて世界最高賞金額G1サウジCを制した
パンサラッサ(牡7)の引退式が8日、中山競馬場で最終レース後に行われた。22年
ドバイターフも制した同馬の総獲得賞金は、
イクイノックス、
アーモンドアイ、
キタサンブラックに続く歴代4位の18億4466万3200円。世界を沸かせた希代の逃げ馬に、場内に残った約4000人のファンが惜別の拍手を送った。
タレントのブルーノ・
ユウキが歌う「
パンサラッサの歌」で始まった引退式。主役は元気いっぱいに登場した。主戦の
吉田豊は「自分はもう海外のレースなどで緊張するような機会はないと思っていたけど、大きいところを二つ勝たせてもらった。本当にお疲れさまでしたと言いたいです」と感謝を伝えた。
幾多の名馬を手がけた矢作師にとっても思い入れの強い1頭。「(厩舎では)同期の
コントレイルという天才が常に横にいた。サラブレッドはなかなか努力だけでは素質にかなわないが、それを克服したのが
パンサラッサという馬です。他の馬より国内の実績では劣るかもしれないが、心に残る走りをしてくれた」としんみり語った。
今後は種牡馬としてけい養される
アロースタッド(北海道新ひだか町)へ移動。シャトル種牡馬として南半球でも種付けを行う予定だ。「
イクイノックスの子を負かしてほしい」と矢作師。22年
天皇賞・秋(2着)で惜敗を喫したラ
イバルと、今度は種牡馬として新たなステージでの勝負が待っている。
▼広尾レース・中尾公亮代表取締役 これだけたくさんのファンの方々に応援していただいたこと、ただただ感謝しかありません。
矢作芳人師という日本、そして世界を代表する調教師、そして厩舎関係者の皆さまに育ててもらった
パンサラッサは本当に幸せだったと思います。
▼岡勇策助手 一番賞金の高いレースを勝たせてもらったのでうれしいです。たくさんいい経験をさせていただいた。ありがとう。
▼池田康宏元厩務員 僕はG1制覇を諦めていましたが、最後の最後にG1制覇を成し遂げてくれた。あの馬には諦めないということを教わりました。
▼生産者・木村秀則氏 希望をありがとう。日高の希望の星になるような子を出してほしいと思います。
パンサラッサ 父
ロードカナロア 母ミスペンバリー(母の
父モンジュー)17年3月1日生まれ 牡7歳 栗東・矢作厩舎所属 馬主・広尾レース 生産者・北海道新ひだか町の木村秀則氏 戦績27戦7勝(海外4戦2勝、重賞4勝) 総獲得賞金18億4466万3200円 馬名の由来はかつて地球に存在した唯一の海、父名(海の神)より連想。
スポニチ