「第41回
東海S」(21日、京都)の出走馬が18日、確定した。明け4歳初戦を迎える
キリンジは栗東CWコースで木曜追い。雨が降る中、馬場が荒れた時間帯に単走で好伸びを見せた。ひと息入れて馬体も大きくなった。
シリウスS12着からの巻き返しへ態勢OK。年長世代の壁をぶち破り、ダート界の新星へと成り上がる。年明け4勝の好調・上村厩舎は
ウィリアムバローズを起用。いい流れに乗って重賞Vを目指す。
栗東は雨が降る中での追い切りとなった。
キリンジが姿を見せたのは午前10時前。7時開門から3時間後、馬場は使い込まれて水分を含んでいた。調教時間も終盤とあり、CWコースで体を動かしていたのは2頭だけ。静けさも漂う中で単走。しまいは気合をつけられ6F84秒6、馬場を考えればラスト2F12秒0→11秒9は値打ちもの。動きを見届けた佐々木師は時計が印字された紙を手に持ち、視線を落とした。
「序盤は1F15秒のラップでピッタリ。1頭じゃ動かないから、最後は気合を入れた。調教としては理想的。馬体もふっくらしているし、馬体重もプラスで出せると思う。前回の休み明けと比べると今回の方がはるかにいいですね。立て直して良くなっています」
1週前追い切りはテン乗りの和田竜が騎乗して感触を確かめた。鞍上は「動かせば動く馬ですからね。仕上がりはいいと思います」とOK
ジャッジ。前走の
シリウスSは12着と大きく着を崩してしまった。古馬との初対戦、最内枠でもまれる形。砂をかぶる展開に条件も厳しかった。トレーナーは「状態はいいので、あとは古馬との力関係がどうか」と見通しを語った。
父
キズナは13年ダービー馬、佐々木師が手がけたトップホースだ。産駒は年明けから好調。ここまで
JRAで早くも6勝、
エピファネイア産駒と並んで勝利数トップに立つ。「去年は(産駒の)
ソングライン(美浦・林厩舎)がG1を獲ってくれましたからね。ここから踏ん張りどころ」。厩舎は先週、同産駒
アネゴハダでV。今週も同じ岡浩二オーナーとのコンビ、
キリンジで勝利を狙う。週末の雨予報も追い風だ。「馬力というよりスピードタイプ。脚抜きのいいダートの方がいいのでは」と前向きに語る。昨春は
兵庫チャンピオンシップに
ジャパンダートダービーと連続2着。巻き返せる力は十分に持っている。明け4歳勢の代表として、力強く名乗りを上げる。
《佐々木師
キズナ産駒で2年7カ月ぶり重賞Vへ》現役時代の
キズナを管理していた佐々木師は
キズナ産駒の調教師別勝利数で2位の清水久師に4勝差をつけ、
JRA32勝でトップに立つ。昨年も
JRA4勝と着実に勝ち星を重ねた。先週は中山の
サンライズSで
アネゴハダが勝ってオープン入り。重賞は21年に
シャムロックヒルで
マーメイドSを勝っている。同産駒での2年7カ月ぶり重賞タイトルを狙う。
スポニチ