「根岸S・G3」(28日、東京)
人馬そろって重賞初制覇を目指す。デビュー15年目の
水口優也騎手(32)=栗東・池江=は、今回が自身29度目の重賞挑戦。パートナーの
フルムはキャリア22戦を誇るたたき上げで、そのうち20戦でコンビを組んできた。前走コールドムーンSを制した勢いで、タイトル奪取に向かう。
一歩ずつ、着実に、人馬の絆を強めてきた。
フルムはキャリア22戦のたたき上げ。5戦目で初勝利を挙げ、1、2勝クラスはいずれも2戦目、3勝クラスも6戦目で卒業と、クラスに長く停滞することなく、
ステップアップしてきた。
前走はオープン入り後、5戦目でのV。コンビ20戦を数える水口は「スタートを出るようになって組み立てやすくなった。思い描いた通り。会心と思っています」と振り返る。
手綱を通じて、かけがえのないパートナーの変化も感じ取る。「新馬戦の前から、上のクラスに行ける馬だと思っていた。一戦一戦、良くなっている実感があるし、スタートを出るようになったのが一番の成長」と感慨深げに話す。
昨夏はプロキオンSに挑戦。10着と重賞の壁にはね返されたが、主戦は「ゲートで挟まれて不本意な騎乗になった」と力負けではないことを強調する。オープン勝ちで弾みをつけて挑む今回、「勝って臨めるし、気持ちを強く持っていける。左回りも得意。長く脚が使えて、広いコースも合う」と3勝クラスVを決めた舞台を歓迎する。
自身にとっては29度目の重賞挑戦。2着が2度と、勝利までもうひと押しだ。「オーナーからも“水口で重賞を”と言ってもらって、初重賞はこの勝負服で、という思いも強い。ただ、自分の初重賞にはこだわらず、全力で迎えられるように準備したい」。
フルムの馬名由来はアラビア語で「夢」。いよいよ、思いがかなう。
提供:デイリースポーツ