東京新聞杯(4歳上・GIII・芝1600m)は一言で表現するのが難しいレースだ。
京都金杯があるのでマイル路線の開幕戦でもなければ、春のマイルGIまでは3カ月以上あるので前哨戦というわけでもない。そこで近10年の勝ち馬の「その後」を振り返り、レースの性格をあぶりだしたい。
近10年の勝ち馬のうち、春のGIで馬券圏内に入った馬は3頭いる。15年の
ヴァンセンヌは
安田記念で2着、18年の
リスグラシューは
ヴィクトリアマイルで2着、そして19年の
インディチャンプは
安田記念を制した。この3頭に共通するのは、
東京新聞杯の後に4〜5月のGIIかGIIIを使い、そこで2〜4着に惜敗していたということ。これは想像の域を出ないが、
東京新聞杯を制して賞金加算に成功→前哨戦を叩き台として使えたことで本番で好走できた…と言えないだろうか。
一方、春のGIで馬券圏内に入れなかった他の7頭はどうだろうか。注目すべきはGIに直行した3頭。14年の
ホエールキャプチャ、21年の
カラテ、22年の
イルーシヴパンサーは全てGIで人気以下の着順に終わっているのだ。とはいえ、この3頭ものちに重賞で好走を見せており、実力がなければまずもって
東京新聞杯を勝つことはできない。
もちろん、馬には個性があるので、このローテーションが絶対正しいというものはない。しかし、この2つのデータから、
東京新聞杯の覇者が春のGIで好走するヒントは見えてきた気がする。今年の勝ち馬はどんなローテを歩むのか。その点にも注目してレースを見届けたい。