競馬新聞「馬サブロー」のPOGマスター、塩手智彦(栗東)と木村拓人(美浦)がお送りするPOG情報。東西のトレセンでつかんだ情報をお伝えします。
先月28日の京都新馬戦(芝2000m)を勝ったのは
パシフィックルート(牡、高野)。母はデビュー3連勝で17年フラワーCを制し、牝馬ながら
皐月賞(7着)で1番人気に支持された
ファンディーナ。厩舎ゆかりの血統で、半姉
エルチェリーナに続く新馬勝ちを決めた。次走は未定だが、母と同様に長めの距離が良さそうなタイプ。今後が非常に楽しみな一頭だ。
同日京都の1勝クラス(ダート1400m)は僚馬
モアザンワンス(牝)が1番人気に応えてV。スタートは良かったものの、先を見据えて意識的に控える形を選択。しまいは期待通りの伸びを披露し、強い内容で勝ち切った。今後は成長を促すために放牧へ。次走は未定。
今回は
共同通信杯(11日・東京、芝1800m)を予定する有力馬2頭の1週前の様子をお伝えしたい。
無傷3連勝で
朝日杯FSを制した
ジャンタルマンタル(牡、高野)が今年初戦を迎える。師は「先々を見据えて、東京コース、それに1泊して臨む競馬も経験させたい」と参戦理由を説明。輸送に関しては「山元トレセンへの往復を何回もしており、問題ないと思います」とコメントした。
1週前は川田Jを背に栗東坂路で4F52秒4-11秒6。数字通りに切れ味抜群の動きをアピールした。「中間も順調で仕上がりは申し分ありません。頑張って走り過ぎるところとスイッチが入りやすいところがあり、その点は心配ですが、今のいい精神状態をキープしてレースへ臨めれば」と期待を寄せている。
朝日杯FS2着の
エコロヴァルツ(牡、牧浦)もここから始動する。1週前は
武豊Jを背に栗東CWで
タイセイブレイズ(6歳オープン)と併せ馬。長めからしっかりと脚を伸ばし、6F83秒2-37秒8-11秒5のタイムで半馬身先着を決めた。
師は「最後までしっかりと動けていましたし、良かったと思います」と納得の表情。「前走はそれまでと違うレース内容で結果を出せて収穫がありました。先々を考えて東京コースを経験させたい。跳びが大きく、広いコースはいいと思います」と好感触を口にしていた。
次週の出走馬をもう1頭紹介。先月14日の京都新馬戦(ダート1400m)を快勝した
ディスタントスカイ(牡、角田)が、11日の東京7R・3歳1勝クラス(ダート1600m)を予定している。
「まだ本気で走っていない。新馬戦の時も物見をしながらだった」(師)とのことで、中間は対策を講じている。「普段のケイコでEコース(大外のダート)に入れて、スタンド前を歩かせたりしている。それでいろいろな環境に慣れてくれれば。能力はあり、レースに集中すればもっといいパフォーマンスができる馬だからね」とさらなる成長に期待を込めていた。(馬サブロー栗東支局・塩手智彦)
提供:デイリースポーツ