“新顔”の外国人騎手が東西重賞でアピールした。「第64回
きさらぎ賞」は4日、京都競馬場で行われた。1番人気
ビザンチンドリームの追い込みが届き、重賞初制覇。1月から短期免許を取得して騎乗するレネ・ピーヒュレク(36=ドイツ)は
JRA重賞4度目の騎乗で初V。管理する
坂口智康師も
JRA平地重賞初勝利の
メモリアルとなった。
夢への扉が開いた。2着との着差はわずか約2センチ。
ビザンチンドリームの追い込みが最後の最後で届いた。終始、後方からの追走。ラスト200メートルの時点でもまだ後ろから2番手だった。ピーヒュレクのステッキワークでそこからゴボウ抜き。鼻、鼻、首差の大接戦をものにして重賞初Vをつかんだ。短期免許を取得して1月から騎乗する鞍上は重賞初制覇。「最初は負けたと思っていたので
アメージング。ゲートは上手に出ましたけど、
バランスをつかむのに時間がかかりました。馬群の中で引っかかる面がありましたね。しまいの脚があるのは分かっていたので、信じていました」と喜びを表現した。
事前の準備も怠らなかった。1週前追い切りで状態を確認。新馬戦で騎乗したムルザバエフとのやりとりもあった。「電話で何回か話をして、癖も聞いていました」と情報をインプット。初めての京都騎乗で大きな仕事をやり遂げた。パリロンシャンに似ているというイメージだったが「似てはなかった。コースが広くて、乗りやすかったですね」と振り返った。
管理する坂口師にとっても
JRAの平地重賞初勝利となった。タフな京都の芝で上がり33秒7は秀逸。「最後の何完歩かで届いてくれました。スムーズではなかったけど、最後はいい脚を使ってくれました。こういう馬場で脚力を見せたし、闘争心もありますね。賞金を加算できたのも大きい」と安どの表情を見せた。
過去の勝ち馬には
スペシャルウィークや
ネオユニヴァース、
サトノダイヤモンドなどクラシックホースが名を連ねる出世ロード。今後は未定だが、春の大舞台へ期待は膨らむばかり。世代屈指の破壊力で、さらなるステージへと飛び立つ。
◇レネ・ピーヒュレク1987年4月24日生まれ。ドイツ・デッサウ出身の36歳。04年にドイツで騎手免許取得。21年
凱旋門賞を
トルカータータッソで勝利。昨年は独ダービーを
ファンタスティックムーンで制するなど56勝を挙げてドイツリーディング2位となった。今年初めて
JRAの短期免許を取得。
JRA通算66戦3勝。1メートル69。好きな日本食は、みそ汁。
ビザンチンドリーム 父
エピファネイア 母ジャポニカーラ(母の
父ジャングルポケット)21年1月28日生まれ 牡3歳 栗東・
坂口智康厩舎所属 馬主・吉田和美氏 生産者・北海道安平町のノーザン
ファーム 戦績2戦2勝(重賞初制覇) 総獲得賞金4862万円 馬名の由来は
ビザンチン帝国の夢。
スポニチ