「
きさらぎ賞・G3」(4日、京都)
クラシックを見据えた素質馬がそろった一戦は、1番人気
ビザンチンドリームがレースレコードとなる1分46秒8で勝利。2着
ウォーターリヒト、3着
シヴァースと並んでゴールインしたが、長い写真判定の末、鼻差で重賞初制覇を飾った。また、鞍上のピーヒュレクはJRA初、管理する坂口師はJRA平地初の重賞勝利となった。
3頭が鼻面をそろえてゴールに飛び込む。内、中、大外。さあ、どの馬だ。5分以上にも及ぶ写真判定の末、豪脚で強襲した
ビザンチンドリームに軍配が上がった。
ゆっくりとゲートを出ると、道中は後方2番手で折り合いに専念。3〜4角から徐々に勢いをつけ始め、直線は大外へ。残り1Fまではまだ前に8頭いたが、加速力がまるで違う。トップスピードに達すると、内から伸びた
ウォーターリヒト、
シヴァースを一気にとらえ、上がり最速の3F33秒7の末脚でラ
イバルたちを丸ごとのみ込んだ。
エスコートしたドイツの名手ピーヒュレクは「私自身、負けたと思いました。この結果には驚いています」と思わず笑みをこぼす。「いい馬ですし、しまいに素晴らしい脚があるのは分かっていたので」と相棒の破壊力を信じ、JRA重賞初勝利をつかみ取った。
JRA平地重賞初制覇となった坂口師も「正直、負けたと思ったので(ゴール前は)意外に声が出なかったですね。でも、最後の何完歩かで届くんですからすごいです」と、初戦に続く目の覚める末脚に舌を巻いた。今後については明言を避けたが、クラシックの有力候補に名乗りを上げる勝利になったのは間違いない。幼さを残しながらも2戦2勝。負け知らずの
エピファネイア産駒の夢は、さらなる
ビッグタイトルを手にするまで完結することはない。
提供:デイリースポーツ