◆第74回
東京新聞杯・G3(2月4日、東京・芝1600メートル、良)
人馬の呼吸はピッタリだった。
サクラトゥジュールは道中、内ラチ沿いの6番手でしっかり脚をため、直線はキングに導かれて馬群を縫うように伸びた。「スペースができてから素晴らしい末脚を見せてくれた。強い勝ち方でした」と24年ぶりに7歳で同レースを制し、重賞初Vを挙げ相棒をたたえた。
初コンビだった
中山金杯は12着だったが、今回はレース前から好走の予感があった。「返し馬から非常に
リラックスしていた。本当にイメージ通りのレースができた」と自画自賛だった。1月21日のアメリカJCC(
チャックネイト)に続いてのタイトル奪取となったが、
JRA重賞2勝は女性騎手としては史上初の快挙。「東京でも重賞を勝てたのは本当にうれしい」と笑顔を見せた。
短期免許で来日して約1か月。「日本を楽しんでいる。特に食事。まだ嫌いな食べ物がひとつもなくて、試した和食はすべておいしい」と絶賛する。店の選択は下町の小さな店を中心に日本食巡りをしているという。オン、オフをうまく切り替えられていることが、土日メイン制覇などの大活躍につながっている。
共同通信杯(11日、東京)では昨年の
ワールドオールスタージョッキーズで日本初Vを挙げた馬を管理する清水英厩舎の
ディマイザキッドに騎乗予定で、
フェブラリーS(
アルファマム)の依頼も受けている。最強女性騎手の快進撃はまだまだ止まらない。(西山 智昭)
サクラトゥジュール 父ネオユニヴァース、
母サクラレーヌ(
父シンボリクリスエス)。美浦・
堀宣行厩舎所属の牡7歳。北海道新ひだか町・谷岡牧場の生産。通算24戦6勝。総獲得賞金は1億6592万8000円。重賞初勝利。馬主は(株)さくらコ
マース。
スポーツ報知