「デイリー盃
クイーン賞・Jpn3」(7日、船橋)
息の長い末脚を繰り出した2番人気の
アーテルアストレアが、ダート新時代の女王候補に力強く名乗りを上げた。3番人気の
テリオスベルが逃げて2着。そこから5馬身差の3着に4番人気の
キャリックアリードが入った。連覇を狙った1番人気の
ライオットガールは伸びを欠いて4着に敗れた。関係者に永井英次デイリースポーツ常務取締役から表彰状が贈られた。
先頭でゴールした瞬間、
アーテルアストレアの背中で菱田は静かに喜びをかみしめた。昨年9月30日の阪神競馬1Rのパドックで落馬。左肩脱臼の重症に見舞われた。手術を経て、12月23日に復帰するまで約3カ月間の戦線離脱。その間、それまでコンビで5勝を上げたパートナーは
レディスプレリュード(大井)で交流重賞初制覇。続くJBCレディスクラシックでも3着。菱田は「大事なところでケガをしてしまって、ふがいない気持ちでレースを見てました。でも、こうしてオーナーや橋口先生にまた乗せていただいて、感謝でいっぱいです」と頭を垂れた。
序盤は逃げた
テリオスベルの4番手。「周りは気にせず、この馬の競馬をしようと思ったけど、馬場も軽かったし、あまり離されないように」と向正面過ぎから徐々にポジションを上げ、4角手前では射程圏。直線は
テリオスベルとのマッチレース。最後は自慢の末脚全開で、ラスト50メートル手前でとらえて交流重賞2勝目を挙げた。「相手も強い馬で簡単ではなかったけど、しっかりかわしてくれました。ただただ、うれしい。この馬への気持ちが実ってうれしい」と感慨深げ。
橋口慎師も「菱田クンで勝てたのがうれしいですね」と笑顔。前走のチャンピオンズCでは牡馬相手に撃沈したが、しっかり立て直した牝馬限定重賞で即巻き返した。「状態次第で兵庫(
兵庫女王盃=4月4日・園田)か
エンプレス杯(5月8日・川崎)。両方かも。牝馬でもすごいタフ。牝馬の交流を中心に使っていきたい」。ダート新時代。真のダート女王を目指して、王道を駆け抜けるつもりだ。
提供:デイリースポーツ