4年ぶりに京都で開催される伝統のG2「第117回
京都記念」は8日、出走馬が確定。個性豊かなメンバーがそろった。昨秋2勝クラス、3勝クラスと連勝し、オープン入りを決めた
ブレイヴロッカーは今季の飛躍を予感させる
ドゥラメンテ産駒。
本田優師(65)にとっては騎手時代に2勝している相性のいい重賞だ。
騎手時代に
京都記念2勝の本田師が
ブレイヴロッカーを起用。騎手&調教師ダブル制覇にチャレンジする。初勝利はデビュー2年目の81年、自身が所属していた星川厩舎
ロビンソンシチーでものにした。80年3月1日、自身のデビュー戦で未勝利2着、その後もコンビを組んだ戦友であり、思い入れの強い存在だった。本田師は「最初はダート中心だったけど芝の走りも良く、使いながら力をつけた馬。
京都記念を勝った時は出走を進言したんだ。変な自信があったんだよ」と当時の心境を明かす。
2度目の
京都記念Vは22年後の03年。西浦厩舎
マイソールサウンドを勝利に導いている。デビュー前から素質を評価されながらも気性の激しさが出世を遅らせた。「元々、気難しい面があって折り合いに苦労した」。3歳の頃は粗削りながら
白百合Sでオープン勝ち、
中日新聞杯で重賞初制覇。4歳になって年明け初戦の
日経新春杯9着から
京都記念へ。「あのレースから担当が若い厩舎スタッフに代わって馬の気持ちに変化があった。これなら折り合うかもと思った」。イメージ通り道中2番手で脚をためて直線、力強く抜け出した。自身が引退する07年2月まで主戦を務め、04年
スポニチ賞京都金杯、
マイラーズC、05年
阪神大賞典を合わせて1600〜3000メートルで重賞5勝と活躍した。「たくさん勝ったし、よく頑張ってくれた」とねぎらいの言葉をかける。
ステッキを置き、もうすぐ17年がたつ。長く騎手をしていたこともあって「もうレースに乗りたいとは思わない」と苦笑いする。そんな本田師は騎手引退直後の07年4月に東京競馬場新スタンド改築工事完了を記念したジョッキー
マスターズに参加。岡部幸雄氏や
河内洋師、松永幹師ら往年の名手と腕を競い、2着に入った。「当時はまだ稽古にまたがっていたからね。お祭りみたいなイ
ベントだったけど改めて騎手は楽しい職業だと思ったよ」と笑みを浮かべる。今は自身がスタッフをまとめ、馬を仕上げ、後輩騎手にバトンを託す立場。
ブレイヴロッカーはここ2走、条件戦連勝でオープン入りするなど急成長を遂げた。「
ロビンソンシチー、
マイソールサウンドと同じく明け4歳で
京都記念へ。上り調子で参戦するのは、あの2頭と同じ」。かつての相棒と姿をダブらせ、重賞獲りへの期待を込めた。
《本田師&酒井で過去10勝》本田師&酒井のタッグは過去10勝をマークしている。14年から15年にかけて
スピリッツミノルが未勝利、梅花賞、
すみれSと3連勝。19年
大阪城Sは13番人気Vと高配を提供した。今年は年明け初日の
万葉Sを4番人気
メイショウブレゲで勝利。
ブレイヴロッカーはテン乗りながら7日にCWコースの最終追い切りで酒井がコンタクトを取り、しまい強めに追って6F83秒5〜1F12秒1と軽快な伸び。人馬の息がぴったり合った動きを見せた。
スポニチ