ディープインパクトにとって、
ダイヤモンドステークス(4歳上・GIII・芝3400m)は名前も聞きたくないレースかもしれない。というのも、これまでに延べ28頭の産駒が挑みながら、15年
ファタモルガーナと20年
メイショウテンゲンの2着が最高着順。未だに戴冠に手が届いていないからだ。もちろん、ディープ産駒が勝っていない重賞は多くある。しかしながら、その中で出走頭数が28頭というのは最多。すなわち
ダイヤモンドSは
ディープインパクト産駒が最も苦手な重賞といっても過言ではない。
鬼門突破を目指し、今年は2頭のディープ産駒がエントリーしてきた。もちろんエース格は
サリエラ(牝5、美浦・
国枝栄厩舎)だ。半兄が
サリオス、全姉が
サラキアとなる血統馬。ここまで惜しくも重賞には手が届いていないが、3走前の
目黒記念は0秒1差の3着。前走の
エリザベス女王杯も上がり3F最速タイをマークして0秒3差の6着だった。今回は大幅な距離延長がカギになるが、実力的には一枚上といえる。
もう1頭の
グランスラムアスク(牝5、栗東・
矢作芳人厩舎)はオープンで壁に当たっているが、ここは楽に逃げられそう。古くからの格言に「長距離の逃げ馬」とあるように、それだけで軽視は禁物。52kgの軽量も味方に見せ場以上があっても驚けない。
19年7月に死んだ父も、2頭の愛娘にエールを送っていることだろう。残り少ないチャンスを生かし、ディープ産駒の
ダイヤモンドS初制覇となることを期待したい。
【
ダイヤモンドSの
ディープインパクト産駒の3着以内】
・12年3着
スマートロビン(2番人気)
・15年2着
ファタモルガーナ(2番人気)
・16年3着
ファタモルガーナ(8番人気)
・18年3着
ソールインパクト(6番人気)
・20年2着
メイショウテンゲン(3番人気)
・22年3着
トーセンカンビーナ(5番人気)