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藤井勘一郎騎手が引退へ 落馬負傷から約2年の決断も前向く「FUJIIチャレンジ第2章にご期待ください」

スポーツ報知
  • 2024年02月14日(水) 11時06分
 JRAは2月14日、2022年4月16日の福島8Rで落馬し、第4胸椎脱臼骨折の大けがを負った藤井勘一郎騎手=栗東・フリー=が2月29日をもって騎手を引退すると発表した。2月17日に京都競馬4レース(11時30分発走予定)終了後に、京都競馬場のウィナーズサークルで引退セレモニーも行われる。

 藤井騎手は、中学3年生でJRA競馬学校の騎手課程を受験しようとしたが、体重を1キロ落とせず断念。豪州に単身渡って01年に見習い騎手免許を取得した。その後、シンガポール、韓国など13か国を渡り歩き、海外で516勝。南関東競馬やホッカイドウ競馬でもキャリアを積んだ。

 クリソライトで16年コリアC、モーニンで18年コリアスプリント(ともに韓国G1)を制し、19年2月に6度目のチャレンジでJRA騎手免許試験に合格。記録の残る81年以降では、海外で騎手免許を取得した後にJRAの騎手試験に合格した日本人は、横山賀一元騎手と藤井騎手の2人だけ。横山賀騎手以来、27年ぶりの“逆輸入ジョッキー“で話題となった。

 昨年の2月には落馬後、初めて栗東トレセンを訪問。昨秋はコリアCデーの韓国、オオバンブルマイの豪州遠征、香港国際競走に帯同し、日本馬を応援しながら見聞を広めていた。今年も元気に車いすをこぎ、栗東の調教スタンドで関係者と談笑するなど、精力的に動き回っている。JRA通算勝利は42勝で、JRA重賞はアブレイズで20年のフラワーCを勝った1勝。現役復帰こそかなわなかったが、今後はJRA騎手で指折りのフットワークの軽さ、コミュニケーション能力の高さで、競馬界の発展に尽力していく。

 藤井騎手「先日、騎手免許の更新はしましたが、事故から2年たちリハビリの方も改善せず、3月は新しい時期ということもあり、新たな一歩を踏み出す決断をしました。最近、(大阪の)ホテルでアルバイトを始めました。(英語が話せるので)海外のゲストの接客をさせてもらったり、競馬とはまったく違って刺激になっています。今後は競馬界に恩返しできるように、何ができるか今からワクワクしています。ポジションをいただけるのであれば、JRAでも働きたいです。人とコミュニケーションをとるのが好きですし、海外で工夫して生き残ってきた強みを生かし、これからは自分探しの旅をして、納得いく人生をと思っています。(クリストフ・)ルメールさんには『アパレルブランド(「CL by C.ルメール」)に力を貸してほしい』と言ってもらったり、ジョッキー仲間も色々と提案してくれてうれしいです。これまでサポートしていただいたみなさまに感謝しております。FUJIIチャレンジ第2章にご期待ください」

 ◆藤井 勘一郎(ふじい・かんいちろう)1983年12月31日、奈良県御所市生まれ。01年に豪州で見習い騎手免許を取得し各国で騎乗。JRA所属馬として初めて韓国遠征したエスメラルディーナでトゥクソムC・韓国G3(15年)を制覇。19年3月にJRAの騎手免許を取得し、JRA通算42勝。JRA重賞は20年フラワーC(アブレイズ)。家族は妻と二男一女。

スポーツ報知

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