JRAは15日、昨年の
有馬記念で2着に入った
スターズオンアース(牝5=高柳瑞)の検体から規制薬物フルニキシンが検出されたことについて、管理する
高柳瑞樹師に過怠金10万円を科したと発表した。馬に対する処分はなく、今後の出走に影響はない。
「規制薬物」には、競馬法に定められた「禁止薬物」のような競走能力への影響はない。ただし馬の福祉および事故防止の観点から、規制薬物の影響下にある馬はレースに出走できない。フルニキシンは消炎鎮痛に用いる非ステロイド系抗炎症薬で、馬の場合はせん痛や炎症性疾患に対して使用される。
スターズオンアースが
有馬記念を目指し、美浦トレセンに入厩したのは23年12月8日。出走日までにフルニキシン投与の治療歴はなく、実際に投与された事実は確認できなかった。高柳瑞師も投与の認識はなかったという。レース後の理化学検査の結果が出たのは、レース3日後の12月27日。制裁まで2カ月以上の時間を要した理由として、禁止薬物が検出されて陽性になった場合はレースの失格、競走馬の出走停止など直後に対応しなければならないが、規制薬物の検出ではそういった措置がないため。
JRAは「必要な調査に時間をかける対応を取ったことから、制裁決定までに時間を要した次第です」としている。
◆規制薬物の検出による制裁 競走後の検体から規制薬物が検出されての制裁は過去3件あり、直近では19年4月28日、京都競馬8R3着の
レッドランディーニからヒドロコルチゾンが検出。管理する石坂正師に過怠金30万円が科された。
スポニチ